松本山雅FCは今月13日開催のYBCルヴァンカップ1回戦でレノファ山口と対戦。ホームスタジアムのサンプロアルウィンでは、試合日当日に除雪作業が実施されたが、ネット上ではJリーグ秋春制移行を巡る議論が白熱。野々村芳和Jリーグチェアマンに対する厳しい意見もある。
長野県では上空の寒気や三陸沖を進んだ低気圧の影響で、12日夜から13日朝にかけて広範囲で大雪に。松本市では13日未明に積雪10センチとなり、サンプロアルウィンも一面真っ白になった。
山口戦開催延期の可能性もあった中、松本は12日夜に公式X(旧ツイッター)アカウントにて除雪作業への参加者(ボランティア)を募集。13日9時から総勢150人を超えるファン・サポーターやクラブスタッフらがダンプショベル等を使って雪をかきわけたことにより、プレー可能なピッチコンディションになっている。
クラブ公式Xアカウントでは、除雪作業の様子が動画によりアップされたほか、ボランティアに対する感謝の思いも綴られている。この投稿に対しては、「松本サポーターが一体感が凄い!」「試合開催へみんな努力してくれている!」「ありがとうございます」などと温かいメッセージが多く寄せられている。
ただ降雪地域にホームを構えるクラブのハンデを指摘する声も。「除雪ボランティアを動員しないと、試合を運営できない可能性のある降雪地域を含めた秋春制は、かなり無理がある」「秋春開催はボランティアという名の善意と労働を搾取を続けないといけなくなる」と、試合前日のボランティア募集に対する疑問も湧き起こっている。
また野々村チェアマンに対しては、「チェアマンは雪かきをしに来たのか?」「野々村さん、こういうの全部よろしくね。いつもでもあると思うなボランティア」「雪国クラブだけが負担を被る状態を野々村チェアマンはどう考えているんだ?」といったコメントが。「Jリーグはこれ美談にしてはいけない」などと、一部のファン・サポーターが積雪時の対応改善を求めているほか、後半途中で氷点下になる可能性があるだけに、観客の安全を心配する声も見られる。
野々村チェアマンは昨年12月19日、2025シーズン終了後に0.5シーズンの特別大会を設けた上で、2026/27シーズンから秋春制に移行すると発表。Jリーグは降雪地域のクラブに対して、施設整備の支援などを目的に100億円規模の財源を用意する方針を打ち出している。
ただ、日本での秋春制開催には「無理がある」といった意見も。かつて2020シーズンにアルビレックス新潟でプレーしていた鄭大世氏は昨年12月、DAZN制作番組『J ZONE2023』出演時に以下のようなコメントを残している。
「秋春制にした方が良いとは思っているけど、条件を見たら無理だなと。降雪地の条件が悪すぎるし、打つすべがない。もし(降雪地域にホームスタジアムを構えるクラブが)冬に試合をやらないようにしたり、時期をずれせば、今度はそのクラブに誰も行きたがらないという現象が起こる。(降雪地域の)クラブにとってはかなり不利で、ちょっと無理かなと。賛成派だけど、メリット、デメリット以前に無理」