インドネシア代表 写真:Getty Images

 フィリップ・トルシエ監督が率いるベトナム代表は3月中に開催される北中米W杯アジア2次予選の第3節、第4節でインドネシア代表と連戦する。ベトナムは年始のアジアカップでもインドネシアと対戦しており、その際はベトナムが0-1で惜敗。今回はリベンジマッチとなる。

 ベトナム代表は3月13日から強化合宿をスタート。招集されたDFドー・ズイ・マイン(ハノイFC、27歳)は次戦に向けた意気込みを語り、帰化戦略でチーム強化するインドネシアに警戒を強めた。

 三浦俊也監督時代(2014年~2016年)にベトナム代表に初招集されたズイ・マインは、現代表チームで最も古株選手の一人。国際Aマッチ出場数は56試合で、歴代でもトップ10の出場数となっている。

 ズイ・マインは協会メディアに対し「ベトナムは大きな試練に直面するだろう。ニュースを通じ、インドネシアがこの試合のために11人もの選手を帰化させたことは知っている。ヨーロッパでプレーする選手も多く、かなりレベルが高い。激しいプレースタイルを持つインドネシアはこれまでも厄介な相手だったが、今では大量の帰化選手まで擁している。チームメイトと話しているとき『対戦相手がインドネシアなのかオランダなのか時々分からなくなる』と冗談を言い合っている」とコメントした。

 さらに同選手は「とはいえ、ベトナムにもレベルが高い選手はいる。インドネシアがどれだけ帰化選手で強化しても臆することはない。恐れや不安といった感情は、ベトナム代表にとって不要なものだ」と続けた。

 これまで何度も報じられてきたようにインドネシア代表は近年、積極的な帰化戦略で代表チームを強化している。特に顕著なのが、オランダ系選手たちの存在だ。オランダには歴史的な背景から、かつての植民地であるインドネシアにルーツを持つ人々が多い。先日、プレミアリーグ(イングランド1部)ウルバーハンプトン・ワンダラーズからセレッソ大阪への期限付き移籍が発表されたDFジャスティン・ハブナー(20歳)もオランダとのハーフで、年代別オランダ代表でプレーした経験を持つ。また、かつて北海道コンサドーレ札幌に所属していたMFイルファン・バフディムとMFステファノ・リリパリもオランダ系の選手だった。