ファビオ・カリーレ監督 写真:Getty Images

 V・ファーレン長崎は今年2月、ファビオ・カリーレ監督を巡る問題で、ブラジル2部降格クラブのサントスや同監督などを相手どり国際サッカー連盟(FIFA)に提訴。二重契約問題の行方に注目が集まる中、ここに来て指揮官本人からサントス批判が飛び出している。

 同監督については、長崎が昨年12月4日に2024シーズンの契約更新を公式発表したにもかかわらず、サントスがおよそ2週間後の19日に同監督の招へいを発表。両クラブ幹部は今年1月12日に協議したが、サントスは協議終了直後の日本時間13日未明にクラブ公式X(旧ツイッター)にて「サントスはカリーレ監督と長崎の契約が今年1月1日に終了していたことを把握。長崎との交渉を正式に終了した」と声明を発表。違約金を支払う必要がないと主張していた。

 このサントスの対応を受けて、長崎は13日に「事実に反するのみならず、昨日の会議でのサントスの立場とも全く異なる主張。昨日の会議に関する回答がない中でこのようなリリースが発信されたことは極めて遺憾。クラブとしてしかるべき措置を取ることを検討してまいります」と反発。2月15日には「カリーレ監督及びレアンドロコーチ・デニスコーチ・セザールコーチからの契約破棄に伴う違約金等の請求に関して、2月15日にFIFAへの提訴が完了したことをお知らせいたします。今後の進捗につきましては、クラブ公式よりご報告いたします」と発表していた。

 日本国内でサントス批判が相次ぐ中、カリーレ監督本人は今月12日、ブラジルメディア『SporTV』のインタビューに応じた際、以前から違約金の存在を認識していたことを告白。

 「両クラブの幹部は、10日間にわたり交渉した。だから、サントスは(私と長崎の)契約内容を把握しているはずだ。私も一部の会議に出席した。だが会議出席後、サントスと私の代理人はトレーニングのことについて心配するよう促してきたんだ。その時の書類も手元にある」

 「この問題が、短期間ですべて解説することを願うばかりだ。違約金は存在するし、誰かが支払わなければならない。その違約金の支払いが私でないことを願っている」

 昨年12月20日のサントス公式Xアカウント投稿動画で、同クラブ幹部と笑顔で抱擁を交わしていたカリーレ監督。違約金に対する認識を巡って、クラブとの間に亀裂が生じているかもしれない。