元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタは、昨年7月にヴィッセル神戸を退団し、UAE1部エミレーツ・クラブへ移籍。同クラブがリーグ最下位に沈み、DF大﨑玲央の電撃退団などで揺れる中、神戸で現役引退の可能性があったことを明かしている。
バルセロナでラ・リーガ(スペイン1部)やUEFAチャンピオンズリーグなど、数多くのタイトルを獲得してきたイニエスタ。今月、米メディア『ESPN』のインタビューに応じた際、神戸移籍前に思い描いていたキャリアプランを語っている。
「人生には、想像したり、望んだりすることがある。僕は今まで常に、40歳までバルセロナでプレーして、そこで引退できると考えていたんだ。だけど、34歳でバルセロナを去ったのは、引退を望んだクラブでは、もはや自分が望むような貢献はできないと感じたからだね。バルセロナでプレーし続けたいと思っていたけど、決断を迫られて日本に行くことになった」
また、同選手は「日本での生活は素晴らしかった。プロサッカー選手としてもそうだし、家族も楽しんでいた」と神戸時代を回想。それでもエミレーツ・クラブに新天地を求めるまで、以下のような心境の変化があったという。
「もしJリーグがもっと簡単なリーグであり、昨年に引退したいと思っていたら、神戸で引退したかもしれない。だけど、(吉田孝行監督のもとで)そこまでプレーしていなかったし、プレーを続けたいと思ったから、プレーできる場所に行く決断を下さなければならなかったんだ」
そんなイニエスタは、エミレーツ・クラブのキャプテンを務めているが、昨年末にリュイス・プラナグマ監督(元FC今治監督、元神戸コーチ)が辞任したこともあり、状況が一変。昨年12月以降は公式戦わずか2試合の出場と、厳しい立場に置かれている。
エミレーツ・クラブとの契約が今年6月までである中、イニエスタは「ここにやって来て、また違った状況に自分の身を置いている。自分が期待していなかった状況である時、2つの選択肢がある。嫌だからあきらめてスペインへ帰るか、それとも神戸時代のように長続きするものを築き上げるためにも、自分のアイデアを持ち続けるかだ」と語っている。