2022年はウクライナ情勢の悪化に伴うエネルギー価格の高騰などで、世界各国で物価の急上昇が起こった。

この出来事は、人々のハイパーインフレに対する不安感を高め、物価高騰に備えた資産運用の重要性を再認識させた。インフレに強い資産とはどのようなものか。

インフレに備えるための2つの資産

ハイパーインフレに備えるためには、2つのカテゴリーに分類される資産を持っておきたい。

1つ目は「インフレとともに価値が上昇しやすい資産」、2つ目は「保有しているだけでインカムゲインが得られる資産」だ。

カテゴリー1:インフレとともに価値が上昇しやすい資産

インフレとともに価値が上昇する資産を保有しておけば、ハイパーインフレ時の自身の資産へのダメージを最小限に食い止めることができる。

インフレとはそもそもモノ・サービスの値段が上がることであり、つまり「モノ」に投資をしておけばインフレ時に同時に価値が上がりやすい。

具体的には、「不動産」や「金(ゴールド)」などが挙げられる。

また、インフレ時はエネルギー価格も上がるため、エネルギー価格が上がると恩恵を受ける企業の株式を保有しておくのも、戦略の一つとして挙げられる。たとえばエネルギー価格が上がると石油大手の収益は高まりやすい。

カテゴリー2:保有しているだけでインカムゲインが得られる資産

別の対策もある。「インカムゲイン」(保有しているだけで得られる収益のこと)が発生する資産を保有しておくことだ。そうすれば、物価高騰によって保有している現金の価値が相対的に下がっても、インカムゲインを得ることでダメージが抑えられる。

株式や投資信託の中には、保有しているだけで年間4〜5%程度の配当を得られる銘柄がある。また、不動産を保有していれば家賃収入がインカムゲインの役目を果たしてくれる。

逆にハイパーインフレに超弱い資産は?

逆にハイパーインフレに最も弱い資産と言えるのが、現金だ。現金はインフレになれば価値がどんどん目減りしていくうえ、保有しているだけではインカムゲインはほぼ得られない。

思い立ったが吉日

現実的には、ハイパーインフレのリスクを100%回避できるような資産運用術は存在しないが、この記事で紹介したような対策を取れば、ダメージを抑えることができる。

ハイパーインフレはいつ起きるか分からない。思い立ったが吉日。いますぐ対策に乗り出してはいかがだろうか。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。