遠藤航 写真:Getty Images

 リバプール所属の日本代表MF遠藤航は、今月10日開催のプレミアリーグ第28節マンチェスター・シティ戦でフル出場。ベルギー代表MFケビン・デ・ブライネとのマッチアップを制して、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)を受賞した。ただ、ネット上では「遠藤の活躍ぶりを日本メディアは報道しない」といった声が。お笑いコンビ「カカロニ」のすがや(本名:菅谷直弘)さんが、放映権の事情に言及した一方、元電通・日本サッカー協会(JFA)関係者は異なる見解を示した。

 日本代表のキャプテンである遠藤は、VfBシュツットガルト時代に2020/21シーズンから2年続けてブンデスリーガ(ドイツ1部)のデュエル勝利数1位に。“デュエル王”と評される中、昨年8月にシュツットガルトからリバプールへ完全移籍した。

 そのリバプールで、加入当初は控え要員だった遠藤だが、徐々にプレースピードの速さに慣れると、昨年12月以降はレギュラーに定着。プレミアリーグの優勝争いを左右する一戦で、デ・ブライネを途中交代に追いやるなど圧巻のパフォーマンスを見せ、現地でも称賛を浴びている。

 同選手の快挙は、日本のインターネットサイトで大々的に報じられているが、地上波の報道番組ではMF三笘薫(ブライトン)、MF久保建英(レアル・ソシエダ)、大谷翔平(ドジャース)と比べてクローズアップされていない印象。ネット上では「地上波で遠藤の活躍をもっと取り上げて」「遠藤も凄いのに、テレビは大谷翔平ばっかり…」といった声も挙がっている。

 そんな中でも、遠藤がかつて浦和レッズでプレーしていたこともあり、浦和サポーターのすがやさんはリバプール所属MFの凄さを力説。11日にX(旧ツイッター)で「放映権とかの関係でテレビでは中々放送されない」と前置きした上で、「本当にすごいことなんですよ。昨日の試合は今の地球上で最もレベルが高い試合だったんですよ。その試合のMVPが遠藤航選手なんですよ。とんでもない。とんでもないよ」と綴っている。

 一方、『株式会社ミッションスポーツ』の満田哲彦CEO(元JFAマーケティング担当部長・元電通本社オリパラ室営推部長)の見解は異なる。満田氏は「そろそろ『日本のメディアは報じない』という大きな主語からの脱却を」と切り出すと、遠藤の活躍ぶりが11日のテレビ朝日系『報道ステーション』でも報じられたことに言及。

 同番組の平均視聴者数を700~800万人、到達人数を1500~2000万人と見積もった上で、「報道ステーションだけで、700万人ほど遠藤航選手の報道を見てる」と私見を披露。

 他の地上波メディアでも「久保、三笘、八村塁(レイカーズ)などのことは、ずっと報じ続けている」として、「日本のメディアは野球ゴリ押し、というバイアスがたぶんこれからも続く。でも、本当に日本のメディアをチェックしてる?」と疑問を投げかけた。

 なお満田氏は、大谷の情報が様々な地上波番組で扱われる理由も説明。「大谷情報は、その社会的情報まで話題となっている」と主張した上で、W杯やなでしこジャパン対北朝鮮(パリ五輪最終予選)に関しても「社会的情報レベル」と位置付けている。