鈴木彩艶 写真:Getty Images

 シント=トロイデンVV(STVV)所属GK鈴木彩艶は、今月10日のベルギー1部オイペン戦でフル出場も、自身のキャッチングミスから決勝点を献上。北中米W杯アジア2次予選の日本代表メンバー入り報道に対する疑問の声が挙がる中、ベルギー国内ではレギュラー剥奪論が沸き起こっている模様。STVVのトルステン・フィンク監督は、日本代表GKの奮起を求めている。

 浦和レッズでGK西川周作からレギュラーを奪えず、昨年夏にSTVVへ移籍した鈴木。STVVの正守護神として活躍する中、今年1月開催のアジアカップでは全試合フル出場も、セットプレーから相次いで失点。パンチングの判断やポジショニング等で、ファンや識者から厳しい指摘を受けていた。

 するとオイペン戦でも、前半9分にハイボールをキャッチし損ねると、セカンドボールを相手選手に拾われる。そしてFWルノー・エモンがペナルティエリアでシュートを放つと、ボールは鈴木の股の間を通過し、ゴールネットを揺らした。

 STVVが0-1で敗れただけに、ベルギー紙『HBVL』は試合後に「STVVは鈴木を正守護神として放っておくのか?フィンク監督は彼を残すべきなのだろうか」と綴るなど、同選手の控え降格論を唱えている。

 またベルギーメディア『Voetbal』によると、フィンク監督はオイペン戦の会見で「若いGKを連れて来ると、失点数が増えることくらい分かっている。鈴木は今まで私が見てきた中で、最も偉大なタレントのひとりであることに変わりはない」と同選手を擁護。

 ただ一方で「GKがミスを犯せば、すぐに失点する。確かに鈴木は日本でナンバーワンのGKだが、そうなるだけの選手ではない。彼はここから学ばなければならない」と厳しい言葉を交えながら、さらなる成長を要求。発言内容から「日本代表GK陣のレベルは低い」と解釈することも可能だ。

 アジアカップ全5試合で失点も、今月1日の記者会見では「僕はアジアカップの舞台で多くのことを学びました。特にメンタル面で成長しましたね」と、成長ぶりをアピールしていた鈴木。ただオイペン戦での痛恨ミスにより、日本のファン・サポーターからの支持を得るには至っていないようだ。