【全モデルにオールドムーヴ搭載】フランスの新進時計ブランド“センペル&アドゥク”
(画像=ア・シルト_オールドムーヴメント、『Watch LIFE NEWS』より引用)

センペル&アドゥク(Semper&Adhuc)は、フランスを拠点とする時計師コリン・ドゥ・トナックが立ち上げた日本未上陸のマイクロウオッチブランドだ。ブランド名はラテン語で、“絶え間なく、この瞬間まで”という意味を持ち、この言葉に象徴されるようにセンペル&アドゥクの使命は、時計を通じて祖先の伝統を今後何年にもわたって現代に定着させることにある。

かなり抽象的で壮大なコンセプトだが、具体的に説明すると、アンティークウオッチの時代に製造されたオールドムーヴメントをメンテナンスして採用し、末永く愛用できるユニークな時計を作るのがセンペル&アドゥクの特徴である。 彼らは将来製造する時計に搭載するために、さまざまなエボーシュメーカーのムーヴメントを、常に探し求めているそうだ。

【全モデルにオールドムーヴ搭載】フランスの新進時計ブランド“センペル&アドゥク”
(画像=創業者のコリン・ドゥ・トナック、『Watch LIFE NEWS』より引用)

センペル&アドゥクの創業者であるコリン・ドゥ・トナックは、幼少期から時計に魅了され、古い時計のムーヴメントを探し求め、放課後に家に持ち帰っては研究、実験していたという生粋の時計愛好家だ。センペル&アドゥクの初期の時計には、彼が収集していたムーヴメントの一部が採用されている。

時計学を6年間学び、卒業後ジュネーブのパテック・フィリップ社に就職したコリンは、品質部門で経験を積み、時計製造ラボの技術者になり、最終的に時計の組み立てに従事した経歴をもっている。2016年、コリンは自身の時計ブランドを立ち上げるという生涯の夢を追い求めることを決意し、センペル&アドゥクを創設する。

【全モデルにオールドムーヴ搭載】フランスの新進時計ブランド“センペル&アドゥク”
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

センペル&アドゥクの時計はすべて、フランス南西部・ボルドーにある工房でデザイン、製造、組み立てを行っており、時計部品も地元パートナーとだけ取引を行っている。

クリエイティブで革新的であり続けるため、市場で容易に入手できる標準化された部品を時計に使用せず、1930年から70年の間に製造されたムーヴメントをレストアし、コレクションに搭載している。現在では製造していないオールドムーヴメントを採用していることもあり、彼らが毎年生産可能な時計は、平均して150本に限られている。

今回はセンペル&アドゥクのウォッチコレクションから二つのモデルを紹介する。

【全モデルにオールドムーヴ搭載】フランスの新進時計ブランド“センペル&アドゥク”
(画像=INSTANTANÉE ORIGINALE、『Watch LIFE NEWS』より引用)

センペル&アドゥク
インスタニ・オリジナル
最初に紹介するのは、インスタニ・オリジナル。ミニマルな文字盤デザインは、エングレーヴィングで製作された古代の天空図のからインスピレーションを得ており、クリーム色の文字盤を囲うように、アワー・ミニッツ インデックスがレイアウトされているのが特徴的だ。アワーインデックスは時間をフランス語で表記する独特の意匠となっており、5分間隔の小振りなミニッツインデックスが配置されている。 シンプルで洗練された文字盤のデザインを邪魔しないように、細身のスティックのハンドを採用した点もこだわりのポイントと言えるだろう。

1896年創業のエボーシュメーカー、ア・シルト(現在はETAと合併)のオールドムーヴメント、Cal.AS1012、またはそのバリエーションであるスイス製手巻きムーブメントが搭載されており、ムーヴメントの造形を裏ブタに設けた小窓から部分的に鑑賞することができる。リューズは一般的な3時位置の配置とケース左側の9時位置を選ぶことが可能で、ケースは直径37mm、厚さ8mm。3気圧防水でサファイアクリスタル風防を備える。販売価格は2000ユーロ(日本円で約32万4000円)。

【全モデルにオールドムーヴ搭載】フランスの新進時計ブランド“センペル&アドゥク”
(画像=INOPINÉE ORIGINALE、『Watch LIFE NEWS』より引用)

センペル&アドゥク
イノピネ・オリジナーレ
次に紹介するイノピネ・オリジナーレ、オーバル型の316Lステンレススチールケースが特徴のコレクション。文字盤中央にオーバルケースと連動するように楕円形のアワー・ミニッツ インデックスが配置されており、その中心でブランド名がアクセントを加えている。 文字盤のホワイトのマークはエングレービングされたクリシェを使用した古典的なパッド・プリント製法によるもので、時計製造に関わる伝統を現代に継承するというセンペル&アドゥクのコンセプトを象徴する意匠と言えるだろう。

ムーヴメントは現在は存在していないエボーシュメーカー、ア・シルトのCal.AS1012またはそのバリエーションのスイス製手巻きが搭載されており、ケースバックから部分的に機械の造形と駆動を眺めることができる。 リューズは9時位置が3時位置のどちらか選ぶことが可能で、ケースは直径37mm、厚さ8mmのステンレススチール製でサファイアクリスタル風防を装備。販売価格は2000ユーロ(日本円で約32万4000円)。