動かない車は「まだ実用車としての価値があるもの」と、「金属資源としての価値があるもの」の二つに分類できます。本記事では動かない車を理由毎に類別し、それぞれに合った賢い売り方や注意点をご紹介していきます。動かない車でも廃車と決めつけず査定に出してみると、思わぬ高額査定が付く場合がありますのでぜひ参考にしてみてください。
動かない車には実は色々なパターンがあり、内容によって売り方も買取金額も全く異なります。
まずは、ご自身のお車がどのパターンの「動かない車」に該当するのか確認してみましょう。
- 車検切れで動かせない車
- 事故で破損して動かない車
- 故障が原因で動かない車
- 動かない理由が分からない放置車両
車検が切れて公道を走れない車でも、車検を再度受け直せば走行できるため、廃車ではなく自動車としての価値があります。
車検が切れた状態の車で公道を運転すると「無車検運行」という違反の対象となり、違反点数6点に加えて30日間の免許停止処分という重い処罰を受けますので運転は厳禁です。
よって、買取査定を依頼する際は必ず買取店に出張査定を申し込みましょう。
車検が切れていてもナンバープレートを返納していなければ「継続車検」として車検を受け直すことが可能なので、買取相場に大きな影響はありません。
しかし、ナンバープレートを返納(抹消登録)している車の場合は「新規車検」となり、計測車検と比べて厳しい整備内容での車検となるため、買取相場は少し低くなってしまう傾向があります。
なお、買取金額を上げるために車検を受け直す事はNGです。
仮に買取金額がUPしたとしても、車検にかかる費用のほうが高額となります。
事故によって物理的に損傷してしまい自走できなくなった車両のことを「事故現状車」といいます。
事故現状車の買取金額は車種や年式、破損の程度に大きく左右され、それを大別すると以下の3つに分類されます。
- 10年落ち走行距離10万キロ以上等、もとから価値の低い事故現状車
- 高年式かつ低走行で修理する価値のある事故現状車
- 上のどちらでもない判断が難しい事故現状車
この場合は廃車買取専門店や輸出に強い業者に相談することをおすすめします。
廃車買取を専門に行っている業者の多くは、引き取り手数料やレッカー代は無料なのでご安心ください。
2.の高年式かつ低走行の事故現状車は修理する価値があるため、廃車ではなく中古車としての買取が期待できます。
大破しているからといって廃車にすると勿体ないので、必ず買取店へ査定を依頼しましょう。
引き取りの際のレッカー代が無料なのかどうかも重要なポイントとなります。
3.の、判断が難しい事故現状車の場合は廃車専門店・買取店のどちらにも相談しましょう。
車種によっては修理して輸出が可能なため、廃車にはならず高価買取となる場合があります。
機械的な故障が原因で動かない車も、その修理内容によっては廃車ではなく中古車として買取してもらえる可能性があります。
しかし、故障の原因が分からないまま査定に出してしまうと「原因不明の不動車」として査定されるため買取金額は非常に低くなります。
故障の原因が明確でない場合は、まずはディーラー等で故障を診断してもらい修理の見積もりを取りましょう。
故障箇所が明確であれば、買取の査定士も金額を算出しやすくなるため適切な相場で買い取ってもらえるようになります。
長年放置された車は内部に残ったガソリンの腐敗や各パーツの腐食、タイヤのエア抜けやバッテリーの不具合など、さまざまなメンテナンスが必要となるため買取金額は非常に低くなります。
修理しようにもどこまで修理すべきかも分からないと思いますので、放置車両の買取の場合は廃車専門店に依頼するのが望ましいでしょう。
ただし、稀に希少なクラシックカーや名車を放置(長期保管)している方もいらっしゃいます。
初年度登録年月日が昭和の場合や、スポーツカーの場合は通常の買取店にも相談しましょう。
どこの業者も基本的には引取り手数料無料、書類手続き無料を謳っていますが、一部例外もあります。
この項目では例外として費用が発生してしまうケースをご紹介いたします。
- 遠方の業者に依頼する場合
- 自動車税の負担
- ディーラー買取はNG
「知人だから」「感じがよかったから」という理由で他県など遠方の業者に動かない車の買取を依頼すると、引き取り手数料やレッカー代を請求される可能性があります。
動かない車を買取してもらう際はなるべく保管場所から近い位置にある業者に相談するのがおすすめです。
また、ご自身が離島や僻地にお住まいの場合は対応できる業者が限られるので、多くの場合は高額な引き取り手数料が発生します。
離島にお住まいの方は、ご自身の地域が「離島対策支援事業」の対象地域になっていないかどうかを確認しましょう。
離島対策支援事業とは、公益財団法人自動車リサイクル促進センターが自動車リサイクル法に基づいて、離島で発生した使用済自動車を島外の引取・解体業者に引き渡すためにかかる海上輸送費の8割を支援するという事業です。
まとめると、なるべく近くの業者に引き取りを依頼して手数料の発生を避け、離島にお住まいの場合は離島対策支援事業を利用すれば、少しでも手元にお金が残る可能性があるということです。
動かない車に限らず、自動車税は基本的に自己負担となります。
ただし、普通車を廃車もしくは名義抹消する場合は、月割り計算で還付金を受け取る事が可能です。
各排気量別の自動車税額は以下となります。
排気量 (軽自動車) |
2015/3/31以前の新車 | 2015/4/1以降の新車 | 新車登録から13年以上経過 |
660cc | 7,200円 | 10,800円 | 一律12,900円 |
軽自動車の場合、4/1に所有している時点で課税対象となり、月割り還付金の制度はありません。
よって、軽自動車税の負担を無くすためには4/1よりも前に、名義変更および名義抹消が済むように売却をしなければなりません。
排気量 (普通車) |
2019/9/30以前の新車 | 2019/10/1以降の新車 | 新車登録から13年以上経過 (約15%割増し重税) |
1000cc以下 | 29,500円 | 25,000円 | 約33,900円 |
1001~1500cc | 34,500円 | 30,500円 | 約39,600円 |
1501~2000cc | 39,500円 | 36,000円 | 約45,400円 |
2001~2500cc | 45,000円 | 43,500円 | 約51,700円 |
2501~3000cc | 51,000円 | 50,000円 | 約58,600円 |
3001~3500cc | 58,000円 | 57,000円 | 約66,700円 |
3501~4000cc | 66,500円 | 65,500円 | 約76,400円 |
4001~4500cc | 76,500円 | 75,500円 | 約87,900円 |
4501~6000cc | 88,000円 | 87,000円 | 約101,200円 |
6001cc以上 | 111,000円 | 110,000円 | 約127,600円 |
普通車であれば、手放した月までの税負担で済み、過払い分は月割り計算で還付されます。
例えば6月15日にH20年式2000ccの動かない車を廃車にした場合は、年間39,500円の自動車税のうち4、5、6月の3か月分のみを負担すれば良いので、残り9か月分の自動車税が後日返金されます。
還付金の受け取りには特別な手続きは必要なく売却後からおおよそ2か月半後に支払われ、振り込みもしくは郵便局での受け取りが可能です。
ディーラーで動かない車を引き取ってもらうと以下のような料金を請求されます。
- 査定料
- 引き取り手数料
- レッカー代
- 名義抹消手続き代行料
ディーラーは新車を売る業者であり買取相場には疎く、手数料もかかってしまうため売却の際にはおすすめしません。
車を売却する際にはディーラーではなく、専門の買取業者に依頼しましょう。
もともと頑丈なボディやエンジン、走破性を持っている車種は古くて過走行で動かない車でも、海外では廃車ではなく「中古車」としての価値があります。
この項目ではその代表的な車種をご紹介します。
トヨタ車は何十万キロも走行できる耐久性があるということで世界中で信頼されており、動かなくなっても修理が容易なため海外に輸出されやすいメーカーです。
中でもカローラ全般、プレミオ、アリオン、プリウス、ベルタ等は人気が高く、タンザニアやスリランカでは20年落ち以上のトヨタ車が活躍しています。
事故や故障で動かなくなった車両ですら、部品としての価値が高いので輸出が得意な業者に売却すれば高く買い取ってもらえるでしょう。
荷物や人を大量に乗せることができる車種も海外で非常に需要が高いです。
具体的にはハイエース、キャラバン等、トラックやバンといった商業車全般を指します。
これらの車種は流通量が多いので修理する際のパーツも豊富で、海外ではそのまま荷室に人を乗せてバスとして利用されることもあります。
また、積載性の高い車は総じて悪路走破性も高いため、舗装されていない海外のオフロード走行などにも適しています。
たとえ動かない車でも、こういった車種を所有している場合は廃車はせず、輸出に強い買取業者に相談してみると良いでしょう。
ランドクルーザー、ジムニー、フォレスター、ハイラックス、クルーガー、エクストレイルなど、車高が高く悪路走破性が非常に高い車種は全て輸出需要が高いです。
また、近年世界的に人気を博している街乗りSUVやコンパクトSUVも同様で、これらも動かなくても海外に輸出されるため高価買取が期待できます。
特にランドクルーザーは30年落ち、数十万キロ走行していても高値で取引されるため廃車にするなんて以ての外です。
古いジムニーは国内にもファンが多く、スバルの4WD車は北米などの雪国で絶大な信頼があります。
アメリカでは原則として右ハンドル車の輸入を認めていませんが、製造から25年経過した車はクラシックカーとして輸入できるようになるという通称「25年ルール」があります。
この需要の波は日本のスポーツカーが対象となっており、ゲーム「グランツーリスモ」や映画「ワイルドスピード」の影響が大きいようです。
取引されている金額は高額であり、中には1000万円を越える車種もあるのでたとえ動かない車でも部品だけでも相当な価値があることは言うまでもありません。
具体的には1999年登録以前の以下のような車種が対象となります。
メーカー | 車種 |
トヨタ | スープラ |
アルテッツァ(RS200) | |
マークⅡ(JZX90 JZX100)MT | |
チェイサー(ツアラーV)MT | |
日産 | スカイライン(R33 R34) |
シルビア(S14 S15) | |
180SX(MT) | |
ステージア(RS FOUR)MT | |
ホンダ | シビック(SiR Type-R) |
S2000 | |
インテグラ | |
マツダ | RX-7 |
ロードスター | |
三菱 | ランサーエボリューション(GSR) |
GTO | |
スタリオン | |
スバル | インプレッサ(WRX) |
レガシィツーリングワゴン(MT) |
たとえ動かなくても廃車にはせず、まずは輸出が得意な買取業者に相談してみましょう。
動かない車を高く買い取ってくれる業者は、主に廃車専門で買取を行っている業者となります。
ここではその中でも特に評判のよい業者を3社をご紹介いたします。
商品詳細はオリジナルサイトでご覧ください。
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動かない車に関して以下の質問にお答えします。
- 後からレッカー代や解体費用を請求されるのが恐い!どうすればいい?
- 売却した車が本当に廃車にされたのかどうかが知りたい!確認方法は?
引取り後に余計な請求や減額をされない為には、契約前にしっかりと手数料や諸費用について確認しておくことが重要です。
契約書にサインする前に担当者に「諸費用や減額はありませんか?」と念を押しておきましょう。
自動車リサイクルシステムのWebサイトの「使用済み自動車の処理状況検索」に必要事項を入力することで、廃車手続きが完了しているかどうかを確認することができます。
動かない車を買取して貰う際には、廃車と決めつけずに買取店に相談することで高く売れる可能性があります。
動かない車の取扱いは難しく不安に感じる方も多いと思いますが、レッカー代や手数料を無料にしている優良な業者が多いので、その中から最も条件の良い業者に売却しましょう。