来たる4月20日(土)、京都で115年続く漆原材料店「堤淺吉漆店(つつみあさきち うるしてん)」が、漆の世界を広げる専門ショップ「Und.(アンド)」をオープンする。
また、漆精製工場や漆塗り工房、木製サーフボードブランド「漆板 siita-」の工房なども併設。様々な角度から、漆の魅力と人々をつないでいく。
日本の伝統を未来へと継承する「堤淺吉漆店」
明治42年に創業した同店は、国産ウルシの樹液を仕入れ、精製・調合・調色を一貫して自社で行う漆メーカー。
漆の取扱量は国内トップシェアとなる70%を超え、独自開発の高分散精製漆「光琳(こうりん)」は、日光東照宮や姫路城などにも採用されているという。
その一方、漆の新しい可能性を発信する「うるしのいっぽ」や「BEYOND TRADITION」、「工藝の森」など、数々のプロジェクトも推進中。今回オープンする「Und.」は、その新たな活動拠点として、世界に向けて漆の魅力を発信していく。
創作意欲をかき立てるショップ&イベントスペース
「Und.」の地上フロアには、漆芸に必要なあらゆる材料・道具が揃う漆芸専門ショップや、DIYコーナーなどが設置されている。
また、ディスプレイされている漆塗りのサーフボードや鉄製フレームに漆を施した自転車が、創作意欲をかき立てることだろう。
ショップの奥では、創業から受け継がれる漆精製工場がフル稼働しているので、ちょっとした工場見学を楽しむことも可能だ。
イベントスペースとなる3階には、特注の「漆ムロ」を完備した漆塗り工房をはじめ、漆器と食のワークショップが楽しめるオープンキッチンや「漆の図書室」などが用意され、漆をより身近に感じることができる。
また、漆の植栽地を巡る見学ツアーなど、ツアーコンテンツの充実も図っていくようだ。
4月20日(土)から5月12日(日)の期間には、写真家の大杉隼平氏を迎えたオープニングエキシビジョンも開催予定。
日本の伝統と人々をつなぐ「Und.」は、京都の新たな立ち寄りスポットになるだろう。
Und.
所在地:京都府京都市下京区間之町通松原上る稲荷町540
アクセス:京都市営地下鉄・烏丸線「四条駅」より徒歩6分
営業時間:11:00~18:00
定休日:日曜、月曜
(zlatan)
漆を硬化させるために温度湿度管理をする特別な箱。別名「漆風呂」