インド・ニューデリーの南東約1200キロに位置するウッタル・プラデーシュ州の都市ゴーラクプルで2018年9月、4本の足と2つのペニスをもつ赤ん坊が生まれた。英紙「The Daily Mail」によると、赤ん坊は同州ラクナウ市の病院で余分な足とペニスを除去する手術を受ける予定だという。
ブルハン・ニシャドさんの妻ランバさんは、出産の際に激しい痛みに襲われたため、病院へと運ばれた。難産だったが無事に生まれた赤ん坊を見て、両親はショックを受けてしまった。出産に立ち会った医師もまた、異形の赤ん坊を見て驚き、「大きな病院へこの赤ん坊を連れていくべきだ」とアドバイスしたという。一方、地元の人々は赤ん坊を「神の奇跡」と呼び、各地にニュースが伝えられると周辺地域の住人たちが物珍しがって押し寄せる事態となった。
生まれた子どもは「寄生性双生児」と見られている。これは、一卵性双生児の受精卵が分離する際、原因不明の異常が生じ、一方がもう一方に結合したり、吸収されたりすることで発症する。100万人に1人の珍しい奇形だが、事例としては数多く報告されている。
未発達の双子の一部が余分な手足となって生えている場合、これらの手足は赤ん坊本体の心臓や肺から酸素や養分を得ているが、赤ん坊の意思で動きを制御できるかどうかは不明である。対処としては、外科手術によって除去されるケースが一般的だ。
インドでは2017年も、同様に余分な足とペニスのある赤ん坊が生まれたが、家族によって危うく殺されるところだった。というのも、ひどいショックを受けた22歳の母親とその家族が、寄生性双生児を川に投げ捨てる計画を立てていたのだ。しかし、同国ピンドワーラで病院を運営するバラタ・パル・ダンダ氏が、すぐに救急車を送って赤ん坊を救出した。バラタ氏は「とても保守的で迷信深いように見える親戚たちが、赤ん坊を川に投げ入れて殺そうと計画していたと聞いて、とてもショックでした。私は何もせずにただ座っていることができませんでした」と当時を振り返る。
寄生性双生児を見て殺そうとする人々もいれば、「神の奇跡」として崇拝する人々もいる。いずれにしても、赤ん坊の将来を考えれば、外科手術によって余分な手足を切除するのが一番であろう。ランバさんの子どもが手術で正常な身体となって、すくすく元気に育っていくことを願いたい。
(文=標葉実則)
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