こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。
あなたは 「宝塚」 と聞いて、なにが浮かびますか?
「宝塚歌劇?」 そうですね、宝塚のシンボルはなんといっても歌劇でしょう。
では、その他には?
「・・・」そうでしょう、かくいう私もそうでした。宝塚といえば歌劇以外にはなんにも浮かばない、それが正直な感想でした。
今回、宝塚を訪れました。実際に触れてみた宝塚はそれはそれは素敵な街でした。 「街」ということばがよく似合う街 でした。その魅力をお伝えしたいと思います。なお今回は、代名詞の宝塚大劇場は敢えて外し、それ以外の魅力を中心に掘り下げてみたいと思います。
目次
0. 宝塚の概要(由来・起こり)
1. 「ウィルキンソン タンサン」発祥の地
2. 武庫川沿い散歩(筆者超おすすめ)
3. 花のみち
4. 宝塚ホテル
5. 小浜宿(こはまじゅく)
6. 中山寺
7. 清荒神清澄寺
8. JR福知山線 廃線敷ハイキング
9. 宝塚銘菓 乙女餅
10. まとめ
0. 宝塚の概要(由来・起こり)
阪急阪神東宝グループの創始者・小林一三が手がけた宝塚歌劇団の本拠地である宝塚大劇場があり、『歌劇の街』として全国的に有名。漫画家・手塚治虫が青少年期を過ごした町としても知られる。かつては、阪急電鉄経営の宝塚ファミリーランドや東宝映画の源流の1つである宝塚映画製作所などを有して、阪急東宝の文化拠点としてのイメージが強かった。 宝塚ファミリーランド、宝塚ガーデンフィールズが閉園し、今では商業施設やタワーマンション・小学校等に生まれ変わっている。 現在は仁川、逆瀬川、雲雀丘などの閑静な高級住宅街を有する阪神間の住宅都市。阪神間北部に位置しており、西は六甲山系、北は長尾山系に囲まれて、中心部を武庫川が流れている。 関西の奥座敷として温泉場や1913年(大正2年)から続く宝塚観光花火大会(2016年から休止)、高級住宅地としても有名である。(ウィキペディアより一部抜粋)
宝塚という名前の由来
宝塚の「塚」は、「盛り土をした墓(古墳)」を意味する。江戸時代には既に「宝塚」の地名が使われていた。 宝塚の名前の由来は、旧米谷村(現:米谷)に塚があり、この塚の下で物を拾うと必ず幸せになったため、宝塚と呼ばれていた など、諸説ある。(ウイキペディアより)
さて、宝塚の概要をつかんだ上で、宝塚の知られざる魅力を探って参りましょう!
1. 「ウィルキンソン タンサン」 発祥の地
バーでハイボールやカクテルを飲む時、人気の炭酸水は「ウィルキンソン タンサン」ではないでしょうか。炭酸が強めで、お酒を割って飲むにはぴったりの炭酸水です。ところでこの「ウィルキンソン タンサン」は、宝塚が発祥の地だったってこと、ご存知でしたか?
「ウィルキンソン タンサン」のルーツ
1889年(明治22年)頃、イギリス人のジョン・クリフォード・ウィルキンソンが、宝塚で優良な天然の炭酸鉱泉を発見し、瓶詰めにして販売することを思いつきました。紅葉谷(現・兵庫県宝塚市紅葉谷)に工場を設けて、1904年(明治37年)に、ザ クリフォード ウヰルキンソン タンサン ミネラル ウォーター有限会社を設立し、「ウヰルキンソン タンサン」の販売を開始しました。
1914年(大正3年)の大正博覧会で金賞を受賞。
1916年(大正5年)には、大正天皇に献上されました。
宝塚の中心地にある日帰り温泉施設「ナチュールスパ宝塚」の横には「ウィルキンソン タンサン」だけを売っている自動販売機があります。
その自動販売機の、道路を挟んだ向かい側「ホテル若水」の前で当時、炭酸鉱泉が湧き出ていたそうです。今は石碑が立っています。
2. 武庫川沿い散歩(筆者超おすすめ)
今回の「宝塚おすすめスポット8選」の中で、私が一番いいな、と感じたのが、この武庫川沿いの風景です。ここは本当におすすめです。特に宝塚に泊まった翌朝に、この川沿いを散策してみてください。とっても気持ちいいですよ。
空を広く感じるダイナミックな河川敷です。京都の鴨川にも似た優雅さがあります。
以前、この武庫川沿いには、数多くの温泉旅館があったそうです。今は数軒のホテルが営業しているのみですが、在りし日の温泉街の雰囲気がそこはかとなく漂っています。
ここでは、ぜひ川辺まで降りて歩いてみてください。ウォーキングや犬の散歩をしている人もいますが、人は少なく、この広い空間をひとり占めにできます。
宝塚ホテルのスタッフの人たちは、時間がある時、この河川敷の芝生に座ってランチを食べることもあるそうです。天気が良い日には最高ですね。
川沿いから見える宝塚ホテル。宝塚大劇場唯一のオフィシャルホテルです。瀟洒な佇まいが女性心をくすぐります。
3. 花のみち
阪急宝塚駅から宝塚大劇場へ向かう道、それが 「花のみち」 です。
こちらが花のみちの入り口です。花のみちとは宝塚大劇場までの花道という意味もあるそうです。まさに「夢の世界への花道」といえますね。
四季折々の花が、この道を彩ります。
花のみちには宝塚歌劇の演目が銅像として立っています。宝塚といえばやはり「ベルサイユのばら」ですね。
花のみちから見た宝塚ホテル。花のみちのおしゃれな陸橋とのペアリングがまた素敵です。
花のみちには、阪急阪神東宝グループの創立者「小林一三翁」の胸像が立っていました。
4. 宝塚ホテル
宝塚歌劇といえば、宝塚ホテルをイメージするかもしれませんが、実は、宝塚ホテルが宝塚大劇場のオフィシャルホテルになったのは今から11年前の2009年なのだそうです。
阪急宝塚南口駅前にあった宝塚ホテルは、2020年6月21日に、宝塚大劇場の西隣に移転開業しました。コンセプトは「夢のつづきを、ここで」。夢とは宝塚歌劇のことだけではなく、お客さまそれぞれの夢のつづきをこの宝塚ホテルでお楽しみください、という思いを込めているそうです。
5. 小浜宿(こはまじゅく)
これまで見てきた宝塚とは、ずいぶんと違う雰囲気のエリアがあります。それが小浜宿です。
小浜宿は明応年間(15世紀末頃)に建立された浄土真宗の毫攝寺(ごうしょうじ)の寺内町(じないまち)として発展しました。寺内町とは浄土真宗などの仏教寺院を中心に形成された自治集落のことです。濠や土塁で囲まれるなど防御的性質を持っていました。その後も小浜は大阪、京都、有馬、西宮をむすぶ交通の要衝として旅籠、馬借などが立ち並ぶ宿場町として栄えました。
小浜の起こりとなった毫攝寺(ごうしょうじ)。威風堂々とした立派なお寺です。豊臣秀吉が有馬へ湯治へ行く際に千利休を伴って宿泊したといわれています。秀吉の甥の秀次は、このお寺の娘である亀姫を側室にしましたが、秀吉に謀反の疑いをかけられて切腹を命じられた時、亀姫も京都の三条河原で処刑されたという悲話が伝えられています。
小浜には多くの大工や左官が住んでおり、酒造りの町としても広く知られていたようです。
昔からの建物も最近まで数十軒残っていましたが、阪神大震災の時、多くの住居が倒壊してしまい、今では数軒が残るだけとなってしまいました。私が小浜宿を歩いた時、近所に住む小学生が集団下校をしていました。昔の町並みが立ち並ぶ観光地的町並みとは違い、人々の営みの匂いがする、今も生きづいている町、そんな空気が漂っていました。町の中心には、小浜宿資料館があり、小浜宿の歴史を伝えています。
小浜宿資料館の基本情報
観覧:無料
・開館時間:10時~16時
・休館日:月曜日・年末年始(12月28日~1月4日)
6. 中山寺
「安産祈願の観音さま」として知られる中山寺は、聖徳太子が建立したと伝えられる日本最初の観音霊場。安産祈願や出産のお礼参りに訪れる家族でいつも賑わっています。西国三十三所の第二十四番札所でもあり、2019年には、中山寺を含む「1300年つづく日本の終活の旅~西国三十三所観音巡礼~」が、日本遺産にも認定されました。
中山寺は堂々とした、力強い印象を受けるお寺でした。
私が訪れた時(11月11日)はちょうど「七五三まいり」をやっていました。お寺は傾斜地に建っており、境内にはエスカレーターもあります。上まで一気に登って後ろを振り返ると。。。
ここからも町並みが見渡せる気持ちの良い空間でした。中山寺は、今も宝塚の街を見守っているかのようでした。
中山寺の基本情報
住所:宝塚市中山寺2-11-1
・電話:0797-87-0024
・アクセス:阪急宝塚線「中山観音」駅より徒歩1分
7. 清荒神清澄寺(きよしこうじんせいちょうじ)
「かまどの神」「火の神」として全国的に有名なお寺。境内には大小さまざまな火箸が奉納されており、毎月1,27,28日の例祭日には境内や参道が人でいっぱいになります。阪急清荒神駅から清澄寺までの参道はゆるやかな坂道が続き、100軒ほどの店が並んでおり、昔ながらの門前町の風情を残しています。
私が訪れた11月11日の14時頃の参道は、ほとんどのお店が閉まっており、賑やかさを感じることはできませんでしたが、週末は多くの人々で賑わっているであろうことが想像されました。地元に根ざし、人々から愛される、親しみやすいお寺といった印象を受けました。
清荒神清澄寺の基本情報
住所:宝塚市米谷字清シ1
・電話:0797-86-6641
・アクセス:阪急宝塚線「清荒神」駅より徒歩15分
8. JR福知山線 廃線敷ハイキング
今回の「宝塚おすすめスポット8選」の中で、毛色の違う独特のスポットが、この「廃線敷ハイキング」です。旧国鉄福知山線が走っていた廃線敷約4.7kmを、2時間程度で歩くハイキングルートです。単なる廃線跡ではなく、線路は渓谷沿いを走っていたため、美しい風景が次から次へと現れてくる、撮影スポットが充実したコースです。桜、紅葉の時季は、特におすすめです。訪れる際の注意点としては、トンネル内は真っ暗闇であるため、懐中電灯は必須。アップダウンはないので歩きやすいですが、観光ハイキングコースとして完全に整備されておらず、あくまで自己責任で歩くようにと、注意書きがありました。この廃線敷は宝塚市と西宮市に跨っています。
9. 宝塚銘菓 乙女餅
宝塚銘菓で有名なお菓子が、乙女餅です。
宝塚歌劇の大スター、天津乙女さんにあやかって名づけられたお菓子。 宝塚歌劇の「清く正しく美しく」のモットーにふさわしく、吟味された自然素材で作られる、素朴な風味のお菓子です。
乙女餅という字体と、傾き具合にも味がありますね。
和菓子はあまり得意ではない私ですが、この乙女餅はとっても美味しかった。グルメ番組でわざとらしく「おいし~い」と驚嘆するような味ではなく、丁寧にちゃんと作られた「本物のお菓子」という感じが伝わってきました。柔らかく優しい、絹のようになめらかでしっとりした歯ざわり。くどくない甘さ。控えめで品がよく、それでいて余韻が残る深い味です。
乙女餅の断面がこちらです。原材料は国内製造の砂糖、餅粉、きな粉、きび粉、塩のみで添加物は一切なし。この乙女餅、消費期限が短いのです。だからこそ、この味が出せるのだろうな、と思いました。
家族にお土産で買って帰りましたが、あっという間に無くなりました。昭和元年(1926年)の創業から90余年続く宝塚の銘菓「乙女餅」、納得のおいしさです。
※商品情報 【きねや】乙女餅(紙箱)
10ヶ、12ヶ入り:消費期限3日間
・15ヶ、20ヶ、24ヶ、30ヶ、40ヶ、50ヶ入り:賞味期限7日間
10. まとめ
宝塚の魅力が、いくらかはあなたに伝わったでしょうか。
今回、私は新装した宝塚ホテルに泊まりました。朝食の時、隣のテーブルにご婦人おふたりがお座りになり、聞くともなしにお話が聞こえてきました。
「ねぇ、今日の予定は?」「今日の予定?ないよ。」と。このやりとりに、宝塚に合う過ごし方が表れているように思います。宝塚で時を過ごすこと自体が旅の目的なのです。
宝塚にほど近い神戸市、西宮市、芦屋市から泊まりに来られる方も多いそうです。宝塚に住んでいる人、勤めている人にもお話を伺いましたが、宝塚を大好きな人がとても多いように感じました。
宝塚の街をひとことでいい表すとしたら 「夢の世界に浸れる街」「居るだけで心地よさに包まれる街」「自分が主役になれる街」「映画のワンシーンが似合う街」 などでしょうか。
あなたも宝塚に訪れてみませんか?早朝に武庫川沿いを歩いてみませんか?空を見上げてみませんか?
この場所(塚)であなたの"しあわせ(宝)"を見つけられるかもしれませんよ。
【お得情報!】
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文・写真 シンジーノ/提供元・たびこふれ
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