ベルギー1部シント=トロイデンVV(STVV)はFW岡崎慎司ら複数の日本人選手を抱える中、今年1月にDF橋岡大樹をルートン・タウンへ完全移籍により放出。浦和レッズから完全獲得した日本代表GK鈴木彩艶にもステップアップ移籍の可能性が報じられる中、STVVのトルステン・フィンク監督が立石敬之CEO(最高経営責任者)ら日本人のクラブ幹部に不満を募らせているようだ。
STVVは昨季終了後にベルント・ホラーバッハからフィンクへの監督交代を行うと、FW林大地やFW原大智らを放出。鈴木やMF伊藤涼太郎、MF山本理仁らを迎え入れるなど、日本人選手の大幅入れ替えを行った。
そしてフィンク監督体制1年目の今季は、ここまで28試合を戦い9勝10分9敗。カウンター志向からポゼッション重視のスタイルへ転換する中、プレーオフ進出圏内の6位KRCヘンクから勝ち点6差の9位につけている。
ただSTVVは今年1月の移籍ウィンドウで、右サイドバックの主力選手だった橋岡を移籍金200万ユーロ(約3億2000万円)によりルートンへ放出。直近数カ月でFWアブバカリ・コイタをはじめ複数選手に他クラブからの関心が報じられているほか、鈴木の去就については、ベルギーメディア『Voetbal』が今年1月に「彼がわずか1年でSTVVを離れる可能性は十分にある。すでにベルギー国外クラブから関心を寄せられている」と伝えていた。
大幅な戦力ダウンの可能性もあるだけに、フィンク監督はクラブ幹部に対して警鐘を鳴らしている模様。ベルギー紙『HBVL』が今月2日に伝えたところによると、指揮官は今月1日の記者会見で「このクラブが次のステップに進みたいならば、チームの骨格を一つにまとめなければならない。もし今季終了後に鈴木など5,6人の選手が移籍したら、我々は振り出しに戻るだろう」と現有戦力の維持を要求。
「もちろん断れないようなオファーが来る可能性はある。ただこの若いチームを団結させることができたら、来季はさらに上位を目指せるし、そのことを選手自身も理解してほしい」と呼びかけたという。
MF鎌田大地(ラツィオ)、DF冨安健洋(アーセナル)、MF遠藤航(リバプール)など、これまで複数の日本代表選手を輩出してきたSTVV。U23日本代表MF藤田譲瑠チマなど多くの有望株を抱える中、今季終了後のチーム編成に注目が集まる。