2017年10月、マレーシア・ケダ州スンガイペタニ市にある病院で、少年の体内から“双子の兄弟”が摘出されたと、英紙「Daily Mail」が報じた。
ある日、激しい腹痛と鼓腸症を訴えて病院に飛び込んできた15歳の少年。CTスキャンの結果、少年の胃の中から体長23.8cmの“成熟奇形腫”が見つかった。本来は双子として生まれるはずだった兄弟が、胎児期の成長過程で一方に取り込まれてしまったものだ。しかし、その兄弟(奇形腫)は少年の体内で密かに栄養素を奪いながら成長を続け、体重も1.6kgほどに成長していた。医師が手術で摘出した奇形腫には、髪の毛やペニスのほか、背骨や変形した頭蓋骨までしっかり形成されており、その全てが皮膚で覆われていたという。

成熟奇形腫は胎児500万人に1人の割合で発生する非常に珍しいケースで、世界でも過去200例程度の症例しか報告されていない。しばしば「胎児の中の胎児」と呼ばれ、世界保健機関(WHO)によると放置すれば悪性腫瘍に転じる可能性もあるといわれている。成熟奇形腫のうち全体の約80%は腹部内に形成されるが、ごく稀に頭蓋骨で発症することも……。その原因には不明点が多いが、受精卵の不完全な分裂が起因していると考えられており、成長が止まってしまった細胞が健康な受精卵の内部へと組み込まれ、成熟奇形腫へと姿を変えるという。
ちなみに2010年には、香港で生後3カ月の赤ん坊の体内から成熟奇形腫が摘出されたというニュースが世界を駆け巡った。成熟奇形腫と化した胎児2人には、やはり手足や背骨、肋骨が形成されていたという。また2016年1月には、インド北部ウッタル・プラデーシュ州でも少年の腹部から毛むくじゃらの頭部が摘出された。
マレーシアの少年を苦しめていた不可解な腹痛の原因が解明されたことは喜ばしいが、この世に生を受けることができなかった兄弟のことを思うと、何とも切ない話である。
※無修正の画像は「Daily Mail」にてご覧いただけます。
参考:「Daily Mail」、ほか
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提供元・TOCANA
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