オンライン薬局の草分け「PharmEasy」

PharmEasyは、サプライチェーンと物流の最適化により医薬品を手頃な価格で提供することを目指して2014年に設立された。同社のプラットフォームでは、クリック3回で注文確定、クリック1回で再注文が可能という手軽さを実現。テクノロジーの力によって患者・薬局・医師・医療施設・医療サービス提供者を結び付け、スムーズなやり取りを可能にした。

Image Credits:PharmEasy

2022年7月にIPOを実施、2023年7月には評価額を90%引き下げて株主割当増資を選択した。かつて業界トップ3割超のシェアを誇っていたが、2023年11月には上述のとおりTata 1mgに抜かれて2位に後退した。多額の負債や高いバーンレート、激化する競争など複数の要因が重なり、苦しい状況が続いている。2023年には400~500人の従業員を解雇してコスト削減・営業利益改善を図ったが、カスタマーサポートや技術スタッフに不足が生じたとのこと。

以上、無数のインドヘルステックスタートアップから6社だけ動向を確認してみた。各社とも基本的に「アクセスしやすく・手頃な価格」でのヘルスケアをインド全体に提供することを目指して設立されたのが印象的だ。

経済成長や都市化、ライフスタイルの急激な変化にともない、糖尿病などの生活習慣病が蔓延するインド。医療インフラの不足、健康に関する知識の欠如、都市部と地方の格差といった問題が山積している。

インドの生活習慣病予防・対策分野には日本企業も進出しているが、インドが抱える問題を解決するうえで国内のヘルステックスタートアップとテクノロジーは重要な役割を担う存在だ。ポストコロナの時代においても、自社利益を追求すると同時に社会貢献を実現していくことが期待される。