コンチネンタルタイヤは、ドイツで150年以上のタイヤ造りの経験に裏打ちされた先進のテクノロジーと、自動車に関する豊かなノウハウを持つテクノロジーカンパニーとして、タイヤ開発のみならず、人とモノがつながる持続可能なモビリティのために先駆的な技術とサービスを開発しています。そのコンチネンタルタイヤの最新のラインアップから今回は「コンフォート・コンタクト CC7」をご紹介します。「コンフォート・コンタクト CC7」が目指したのは「もっと静かに、もっと心地良く」です。コンチネンタルの最新テクノロジーで作られたサイレント・コンフォートタイヤ「コンフォート・コンタクト CC7」の実力を、まるも亜希子が徹底解説します。
文:まるも亜希子 / 写真:土屋勇人 / 編集:CarMe編集部
相棒のように毎日の行動を共にするクルマこそ、実は慎重なタイヤ選びが大切になるものです。
急に雨が降ったり、路面状況が悪い道に遭遇したり、予定になかった道を走ることになったときにこそ、安心という最大のサポートが必要。
信頼できるタイヤを選んでおけば、無駄な不安や“ヒヤリ”とは無縁のスマートなドライブができるというわけです。
そんな、信頼できるタイヤとはどんなタイヤなのか。
昨今は、軽自動車やコンパクトカーといったベーシックカーにも先進の電子制御技術が搭載されるようになってきました。
でもそれらを最終的に受け止めるのは、クルマの中で唯一路面と接しているタイヤです。
タイヤにその能力がなければせっかくの技術も意味がなく、逆にいえば、そうした技術の特徴を知り尽くし、うまく生かせるようなタイヤを作ることも必要になっているということ。
そうした点から、タイヤ部門だけでなく、全自動運転に関する製品を筆頭にさまざまな技術を開発する、オートモーティブ部門を有するテクノロジー・ソリューション・カンパニー、コンチネンタルは豊富なノウハウを持っており、タイヤづくりにも生かされているところが信頼できるポイントのひとつ。
また、ドイツ発祥で150年以上の長きに渡り自動車業界を牽引してきたメーカーであり、欧州車の新車ではじつに3台に1台という高い割合で純正タイヤとしてコンチネンタルが装着されるという、圧倒的な実力を持つタイヤブランドです。
そんなコンチネンタルタイヤが、日本を含むアジア・パシフィック向けに開発したタイヤがあると聞いて、とても興味が湧きました。
中でも、コンパクトカーをはじめとするベーシックカーのサイズも充実している、コンフォート・コンタクト CC7。
第7世代に進化して、より高い静粛性となめらかな乗り心地、さらにロングライフ性能も向上しているということで、さっそく試乗してみました。
試乗車はパーソナルからファミリーまでオールマイティに使えるベーシックコンパクトカーでした。都心の一般道を走ってみますが、路面は石畳になっていて通常ならゴツゴツとした振動が大きめに入るところです。
でもコンフォート・コンタクト CC7を履いていると、コトンコトンとどこか遠くの方で音がしているような感覚で、イヤな振動がほとんどないことに驚きました。
車内が静かだと、都心でも鳥のさえずりや、オープンテラスのカフェから流れてくるBGMなどが聞こえてきて、ドライブを盛り立ててくれることに気づきます。
そして赤信号から青信号になって発進するときには、路面に吸い付くようになめらかな接地感があり、手のひらにインフォメーションとして伝わってくるので、交差点を曲がるときのハンドル操作に自信がもてます。
カーブでも、すーっと一筆書きのように弧を描いていけるのが爽快。
加速と減速のコントロールがしやすく、市街地での苦手ポイントをしっかりサポートしてくれる感覚がありました。
これらは、コンフォート・コンタクト CC7に採用されているコンフォート・プラス・テクノロジー、「ZEN」によるもの。
ZENというのは3つの主なテクノロジーの頭文字をとっていて、Zはゼロ・ショック・パターンを指す。
タイヤのトレッド面を見てみると、連続したリブ構造と、斜めに細く入ったサイピングが印象的で、これが凹凸の多い路面でも衝撃を軽減し、静かでスムーズな乗り心地を実現してくれるのです。
よく、乗り心地に特化したタイヤはカーブなどでグニャリとした頼りなさが気になることもあるのですがコンフォート・コンタクト CC7はしっかりとしたコシのあるタイヤで、しなやかな乗り心地と安心の剛性感を両立しているところに感心しました。
続いてEは、エバー・フレックス・コンンパウンド。
他社がどんなに真似しようともまったく真似できないという、特別な柔軟剤を配合したコンパウンドとなっていて、これも路面の粗さに柔軟に対応し、衝撃を吸収して快適な乗り心地を実現してくれるテクノロジーです。
タイヤの見た目にもショルダー部分の形状がなだらかで、指で触ってみると肉感的でしっかりしていることがわかるのも特徴的。
また、近年のタイヤはハンドリング性能を高めるために浅溝になっているものが多いなか、コンチネンタルのタイヤは7mm程度の溝をキープしながら、乗り心地と剛性感を両立しているため、耐摩耗性にも優れておりロングライフというのも嬉しいところです。
最後のNは、ノイズ・ミューターという静粛性を追求したテクノロジー。
トレッドをよく見ると、溝の中に小さな突起が点在していることが確認できます。
これが「ノイズ・ブレーカー3.0」というコンチネンタル独自の技術で、縦溝内を通る音波を細かく分散し、ノイズが車内に蓄積するのを防いでくれるのです。
さらに、目では見えませんがサイプの奥にチャンバー(消音室)が設置されており、空気の波がこれらに引き込まれることで、ノイズ周波が吸収されて車内に届くノイズが低減されるという、「ヘルムホルツ式レゾネーター(消音器)」というテクノロジーを採用。
この2つのテクノロジーによって、驚くほど静かな車内が実現しているというわけです。
試乗では海を渡る長い橋や、路面が粗くカーブの多い首都高速道路も走ってみましたが、強風の中でもまったくハンドル操作に影響しない、しっかりとした安定感と、急なカーブでも接地感が途切れずじわりと曲がっていけるという、横方向のグリップの良さも実感することができました。
助手席の人に「ちょっと運転が上手くなった」と言われるほど、とても快適で安心だったコンフォート・コンタクト CC7でのドライブ。
ただのコンフォートタイヤではない、サイレント・コンフォートタイヤというキャッチコピーは本物でした。
今回は晴天のため試せませんでしたが、梅雨など雨の多い日本のことを考えて、ウエット性能の高さにもこだわっているというコンフォート・コンタクト CC7。
静かで乗り心地がよく、一般道でも高速道路でも安心して運転でき、その上ロングライフまで叶えているという、贅沢すぎるベーシックタイヤです。