ヴィッセル神戸の三木谷浩史会長は、今月3日の明治安田J1リーグ第2節・柏レイソル戦における一部判定に疑問。MF汰木康也(神戸)がDF関根大輝(柏)から膝蹴りを食らったシーンに言及したが、「なんで新しいリーグかつサッカー先進国でもないアメリカのMLSから審判を呼ぶ必要があったのか」という投稿が“MLS格下扱い”だと波紋を呼んでいた。そんな中、2023シーズン終了後に川崎フロンターレからロサンゼルス・ギャラクシーへ完全移籍した日本代表DF山根視来が、JリーグとMLSを比較。アメリカにおけるサッカーへの関心度やメディア報道のレベルの高さについて語った。
神戸対柏の一戦では、前半28分に汰木が空中で関根と競り合った際、関根の膝が左脇腹付近に直撃。ピッチでうずくまり、4分後に途中交代となったが、イスマイル・エルファス主審は関根のファウルを取らなかった。
ノーファウル判定や汰木の負傷を受けて、三木谷会長は試合後にX(旧ツイッター)を更新。「同じチーム相手に二人目の大怪我。しかも両方ともカードもなし。なんで新らしいリーグかつサッカー先進国でもないアメリカのMLSから審判を呼ぶ必要があったのか。JリーグもJFAも真面目に考えて欲しいと思う」と苦言を呈したが、ネット上では「MLSを後進国扱いするのは違う」「MLSを馬鹿にしすぎ」「神戸はインテル・マイアミと親善試合していたけど、その後にこの発言は酷い」といった批判が飛んでいる。
三木谷会長の投稿を巡り議論が白熱する中、今年からMLSの舞台でプレーしている山根は、アメリカを「サッカー先進国」だと考えている模様。今月4日に国際サッカー連盟(FIFA)公式サイトで掲載された記事によると、本人は「プレシーズンマッチでは、観客の多さやスタジアムの熱狂度合いという点で、Jリーグよりはるかに上でした。昨年のロサンゼルス・ダービーでは、スタジアムに8万人以上のファンが詰めかけたと聞いていますし、日本よりもアメリカの方がサッカーに対する関心度が高いと思います」と、JリーグとMLSの違いを分析。
プレシーズンマッチでプレーしたことにより感じたこととして、「Jリーグクラブのプレーシーズンマッチは非公開で行われることが多いですけど、MLSの場合は違いますね。メディアが試合結果や内容を大々的に報道してくれますし、MLSの扱い方や宣伝の仕方という点で日本のメディアとは次元が違いますね」と両国のメディア報道にも言及したという。
現在30歳の山根は、2019シーズン終了後に湘南ベルマーレから川崎へ完全移籍すると、川崎では加入1年目から右サイドバックでレギュラーに定着。在籍4年間でJ1リーグ133試合出場11ゴールと結果を残し、2023シーズン終了後に海外挑戦。先月26日のMLS2024シーズン開幕節インテル・マイアミ戦でフル出場し、FWリオネル・メッシと対峙すると、今月3日の第2節サンノゼ戦でも右サイドバックでフル出場。新天地で好スタートを切っている。