3月は“アートの春”を楽しもう。

3月8日(金)から27日(水)まで、東京・銀座の蔦屋書店で清川漠さんによる個展「触感と反射」が開催される。

「目を覚ます」2023 / 1455×1455mm / acrylic,acrylic board

「目を覚ます」2023 / 1455×1455mm / acrylic,acrylic board

清川さん独自の技法「獏嵌」を活かした作品が集結

清川漠さんは「獏嵌(ばくがん)」という独自の技法を用い、境界線をテーマに作品制作を行うアーティスト。

「獏嵌」は、彼が学生時代に絵画・版画・彫刻を学んだ経験から生まれた、銅版画の技法と直接書き込む絵画表現を混交させた彫刻作品だ。

「BLACK001」2021 / 1167×910mm / acrylic,acrylic board

「BLACK001」2021 / 1167×910mm / acrylic,acrylic board

「獏嵌」は、アクリル板を支持体として、裏面に塗料を塗り、それを彫り掻くことでラインを描いている。さらに、彫られたラインに塗料を流し込んで反対側から干渉させることで、独特の描写が可能に。

アクリル板の裏側から掻いているため、鑑賞者が眼にする面は反転した側となる。その偶発性もまた、清川さんの作品の特徴のひとつと言えるだろう。

NAMA&BLACKシリーズの新作を展示

個展「触感と反射」では、代表作の「獏嵌」と、それを発展させたNAMAシリーズ、BLACKシリーズの新作を展示する。

※同展のイメージショット(左)NAMAシリーズ(右)BLACKシリーズ

※同展のイメージショット(左)NAMAシリーズ(右)BLACKシリーズ

NAMAシリーズは、獏嵌作品の表面のアクリル板を剥がし、絵の具塗装面の緻密なマチエールを表出させているのが特徴。

一方BLACKシリーズでは、表面に黒のアクリル板を使用することで鏡のような反射を起こし、多層的な奥行きを作り出している。

なお、同展の展示作品は3月8日(金)11時より会場にて販売される。プレセールスの状況によっては、会期開始前に販売終了となることもあるため、この点は留意しておきたい。

この3月は、「獏嵌」の技法を追求しつつ、新たな表現を模索する清川さんの作品世界を楽しんでみてはいかがだろうか。

清川漠 個展「触感と反射」
会期:3月8日(金) ~27日(水)
時間:11時~19時
会場:FOAM CONTEMPORARY
所在地:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
入場料:無料
※3月8日(金)17時~19時、3月9日(土)14時~18時は作家が在廊
※月曜日は定休
※最終日は18時まで
※終了⽇は変更になる場合がある

(IKKI)