インド・ラージャスターン州の都市ジャハズプールにあるラム・スネヒ病院で、21歳の女性が奇形の赤ん坊を出産した。彼女は陣痛が始まると病院で超音波検査を受け、双子が生まれると告げられたのだが、生まれてきたのは寄生性双生児だった。

 寄生性双生児とは、一卵性双生児の受精卵が分離する際、原因不明の異常が生じ、一方がもう一方に結合したり、吸収されたりすることで発症する奇形である。医学文献によると、100万人に1人の割合で現れる珍しい症状とされる。

 ラム・スネヒ病院で誕生した赤ん坊の胸には、耳や目の無い頭と3本めの手が生えていた。余分な頭と手は赤ん坊の体から血液や栄養を奪い続けることになるため、切除されることとなった。2019年4月26日、ラージャスターン州の州都ジャイプルにあるJKローン病院に移された赤ん坊は、4時間にわたる手術によって余分な頭と手が無事に取り除かれた。小児科医のパラヴィン・マーサー氏は次のように述べる。

「母親は超音波検査や他の検査を受けていたと言いますが、両親は赤ん坊を見たときひどく動転していました。私達は彼らを説得して、娘さんの命を救うための手術に同意させなければなりませんでした。放射線科医師のチームと緊急に相談し、助教授たちのサポートを得た後、私たちは生かすべき赤ん坊から(余分な)頭を無事に取り除きました」

 病院は、赤ん坊の健康維持や手術にかかった費用を家族に請求しなかった。現在、赤ん坊は順調に回復しているという。

 今回の手術は病院側の善意によって無償で実施された。一方、世界各地で誕生する寄生性双生児の中には、生まれた直後に手術を受けられず、余分な身体部位とともに成長した例も報告されている。フィリピンの女子学生、ベロニカ・コミンゲスさんもその中の一人だ。寄生性双生児が不幸にならない世界の実現を願いたい。 (文=標葉実則)

参考:「The Daily Mail」、ほか

※当記事は2019年6月の記事を再掲しています。

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提供元・TOCANA

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