車を運転する際には、車道を走る他の車やバイクはもちろん、歩行者や自転車などさまざまな交通主体の動きに注意を払う必要があります。
しかし、移動手段によってスピードや大きさは異なるため、相手の動きを予測することが難しい場面もあるでしょう。とくにドライバーにとって動きを見通しにくいのが「自転車」かもしれません。
今回はドライバーの方々に、「自転車の交通マナーに思うこと」について話を聞きました。
目次
優先道路を走っているときに一時停止の道から...
自転車関連の重大事故における“若者の法令違反”は8割超え
優先道路を走っているときに一時停止の道から...
自転車の動きが予測しにくい要因の1つに、「免許が不要で幼児から高齢者まで乗れること」が挙げられるでしょう。幼い子どもは特に「車から自分がどう見えているのか」がわからず、意図せず危険な動きをしてしまうことがあります。
「逆走自転車はいつ見ても怖いなと思います。広い道でも怖いですが、一番危険だと思うのは、住宅街などの車線がない狭い道の交差点です。
少し前に、私が優先道路を走っているときに、こちらから見て左側の一時停止の道からノールックで中学生の自転車が飛び出してきたことがあり、心臓が縮み上がりました。しかも、曲がり角をショートカットするようにして私の車の正面に出てきたんです。もう少しスピードが出ていたらアウトでした」(30代男性)
自転車が信号のない交差点を右折する際、曲がり角の内側を進んでしまうと、右折先から直進してくる対向車と進路が重なってしまいます。免許を持っていない人の場合、それが逆走であるとの意識なく、危険を自覚せずにやってしまっている可能性もあるでしょう。
もちろん、小中高生を対象とした警察による交通安全教育など、交通ルールを学ぶ機会は設けられていますが「どういった場面が危険なのか」について、周知を徹底できないケースも出てくると考えられます。
自転車関連の重大事故における“若者の法令違反”は8割超え
また、自転車の逆走についてはこんな意見もありました。
「商業施設の駐車場から出るときに、店の看板や旗で見通しが悪いことがありますが、そういうところで逆走自転車に出くわすとヒヤッとします。もちろん両サイドを確認しながら出て行くのですが、左側からスピードのある乗り物が来る可能性は想定していないので、とても危ないなぁと思いますね。とくに私がよく行く場所は高校が近いので、高校生がかなり飛ばしていることも多いんです」(40代女性)
ただでさえ見通しの悪いところに、スピードに乗った自転車が逆走してきては、対処が遅れてしまうことがあります。このような状況で接触事故が起きた場合、自転車側がルールに違反していても、車が少しでも動いていれば、ドライバー側も責任を問われる可能性が。
警察庁の発表によれば、2022年中に生じた自転車関連の死亡・重傷事故において、自転車運転者に法令違反が認められた割合は、15歳以下で82%・16歳~17歳で84%と、高い数字が記録されました。この結果から、「交通ルールを知らない」「ルールの重要性を認識していない」ことが、事故を招く運転につながっているのではないのでしょうか。
10代だけではなく、若い世代に交通ルールの重要性を伝えていくとともに、ドライバーとしても住宅街や通学路、その他見通しの悪い道路ではとくに、「万が一」に用心しながら進む必要がああります。