最大のブームは過ぎ去ったかもしれないが、今なお若い女子を中心に人気のタピオカ。中でも、茶色い液体に黒いツブツブの入った「タピオカミルクティー」は人気が高い。タピオカはトウダイグサ科のキャッサバの根茎から作られたデンプンで、これを丸めて球状にしたものがタピオカドリンクの黒いツブツブの正体である。

 1990年代に流行ったタピオカの人気が2018年に再燃した背景には、海外の人気チェーン店の日本上陸や若者のコーヒー離れなどに加えてSNSの発達もある。タピオカドリンクの写真が「#タピ活」のハッシュタグとともにTwitterやInstagramなどで投稿され、タピオカブームを盛り上げていった。「インスタ映え」するタピオカドリンクは、自己顕示欲の強い女子たちを魅了しているのだろう。

 しかし、ブームには負の側面もある。タピオカが入ったままのプラスチック容器があちこちに放置されるゴミ問題が、商店街や地域住民の悩みの種となっている。また、英紙「Mirror」などは、タピオカが引き起こした驚くべき健康被害について報じているので紹介したい。

 中国・浙江省で2019年5月28日、腹痛が続いて食事ができないという14歳の少女が、両親に連れられて病院を訪れた。CTスキャンの結果、少女の胃や腸などに100個以上の小さな球体が詰まっていることが明らかとなった。少女は病院を訪れる5日前にタピオカミルクティーを飲んだという。このことから、少女の腹部にある球体はタピオカであると推定された。少女は下剤を処方されて腹痛から解放された。

 医師は、デンプンから作られるタピオカは消化しにくい場合があると述べる。また、防腐剤などをタピオカに加える店もあり、このような成分が胃腸の機能不全をもたらす可能性も指摘している。

 食品の安全性に問題のある中国では2015年、地元テレビ局が衝撃的な事実を報道した。山東省青島市の店で販売されていたタピオカミルクティーには、古タイヤや革靴から作られた偽造タピオカが使われていたというのだ。このタピオカは人体で消化されず、健康に悪影響を及ぼすと考えられる。

「タピオカ」として販売されているものが全て人体に無害なわけではない。海外を旅行する際は、怪しげな店でタピオカドリンクを購入すべきではないし、タピオカの大量摂取も控えるべきだろう。 (文=標葉実則)

■腹の中にたまった100個以上のタピオカ

【閲覧注意】タピオカミルクティーを飲みすぎるとこうなる! 14歳少女の胃腸に100以上のツブツブが詰まって…=中国
(画像=画像は、「Sin Chew Daily」より,『TOCANA』より 引用)