守田英正(写真右)写真:Getty Images

 興國高校(大阪)監督時代にFW古橋亨梧(セルティック)らを輩出した内野智章氏(現奈良クラブ・ユースコーチ兼テクニカルダイレクター)が、今月1日に自身のYouTubeチャンネルを更新。MF守田英正(スポルティングCP)の森保一監督に対する訴えが話題を呼ぶ中、代表監督に求められる資質について語っている。

 カタールW杯で強豪ドイツやスペインを下し、昨年6月の国際親善試合エルサルバドル戦から今年1月1日開催のタイ戦まで国際Aマッチ9連勝を飾っていた日本代表。アジアカップ優勝が期待されていたが、イラン戦で1-2と敗れてベスト8で大会を後にした。

 また守田はイラン戦後のインタビューで、戦術面におけるチーム全体の約束事を定めるよう、間接的にではあるものの森保監督に要望。指揮官が2022年6月にMF三笘薫(ブライトン)の個人能力に依然していると解釈可能なコメントを残していたこともあり、ネット上では「森保監督は個人戦術に依存しすぎ」などと、戦術面で改善を求める声や森保監督解任論が噴出。

 同選手は先月16日夜にX(旧ツイッター)で「半ば諦めてる人もいるように見えるしそう感じる時がある」とイラン戦の雰囲気を明かした上で、「僕は違う、言い辛いことも発言するしその責任も同じように持ってる。だから全くあの発言に後悔はない。今よりもっと成長したい、良くしたいと思うだけ。本当全部勝ちたいです。とにかく、、日本サッカーはここからでしょう」と、発言の真意を綴っていた。

 守田の発言もあり、森保監督の戦術に対する否定的な意見が挙がっているが、内野氏は日本代表指揮官の手腕を評価。「人間性や客観性が森保監督の本当に良い部分」とした上で、「代表監督(に求められる資質の割合)は、戦術よりも信頼関係の方が高くないと(いけないと思う)。選手が動いてくれないので。やっぱり指示を聞いてもらうということが大前提」と私見を述べている。

 また内野氏は代表チームにおける戦術の落とし込みの難しさにも言及。「欧州の代表チームだと、飛行機で1,2時間乗れば集合できる。だけど日本代表の場合は、(欧州と日本の)時差がすごい。パッと集まってパッと戦術を遂行して、またパッと散らばる(という状況)」と長距離移動に触れると、「三笘薫選手(の怪我等)様々なアクシデントがある中で、どれだけ戦術を高められるのか。当然それも日本代表監督の仕事だけど、(森保監督は)トータルのバランスと森保監督自身の長所・短所を客観的に自己分析された上で、あのようなやり方をしていると思う」と指揮官を思いやった。