興國高校(大阪)監督時代にFW古橋亨梧(セルティック)らを輩出した内野智章氏(現奈良クラブ・ユースコーチ兼テクニカルダイレクター)が、今月1日に自身のYouTubeチャンネルを更新。AFCアジアカップ準々決勝イラン戦における日本代表の敗因を分析する中、GK鈴木彩艶(シント=トロイデンVV)とDF板倉滉(ボルシアMG)に言及している。
アジアカップ全5試合で失点した日本。イラン戦では前半にMF守田英正(スポルティングCP)のゴールで先制も、後半になるとロングボールを多用するイラン代表を前に苦戦。鈴木が好セーブを連発する一方、板倉が守備で不安定なパフォーマンスを露呈すると、後半アディショナルタイムにPKから勝ち越しゴールを許し、1-2で敗れた。
森保ジャパンの今後や改善点について様々な意見が挙がる中、内野氏が着目したのは自陣にロングボールを放り込まれた時の対応だ。同氏は「シンプルに敵陣にどんどん人とボールを送り込めるっていうのがメリット。弾かれたり、しっかりディフェンスに対応されると、ひたすらボールを失い続ける」と、ロングボール戦術の特徴を説明。
日本代表の守備で気になったこととして「(ロングボール自体は)結構弾けていたと思っている」と前置きすると、「しんどかったのは、ディフェンスラインの背後に(ボールを)落とされた時に、もっと勇気を持ってGKを使いたいなと。GKにヘディングで下げたり、バックパスを蹴って、そこから前向きのGKがクリアしたり、もう1回ビルドアップしたりというのができるシーンでも、全部苦しい状態で無理なクリアをしている。そのクリアボールをきれいに回収されて押し込まれるということがあった」と私見を披露。
「『鈴木彩艶をうまく使えばなあ』というシーンが板倉滉のところで何度かあった。GKの立ち位置も、もう少しディフェンスラインとコミュニケーションをとってコントロールしても良いかなと(思った)」と、板倉らディフェンダー陣と鈴木のコミュニケーション不足を指摘した。
育成年代から対策すべきこととして「どんどんGKを使ってプレーするという機会を増やす。ロングボールに対して、もっとGKを巻き込んで対応することを徹底する必要がある」と持論を述べた内野氏。北中米W杯アジア2次予選・北朝鮮戦を今月に控える中、守備陣のさらなるレベルアップが求められている。