小川航基(写真手前) 写真:Getty Images

 横浜FCからNECナイメヘンへ期限付き移籍中のFW小川航基は、今月1日に行われたオランダ1部りーぐ第24節フォレンダム戦でMF佐野航大とともにプレー。今年3月の北中米W杯アジア2次予選・北朝鮮戦での日本代表メンバー入りが期待される中、ナイメヘン幹部が小川の去就に言及。ジュビロ磐田在籍時から同選手の獲得を狙っていたことも明かしている。

 現在26歳の小川は磐田でプロキャリアをスタートも、2017年5月のFIFA U20ワールドカップ韓国大会でプレーした際に左膝前十字靭帯損傷、外側半月板損傷という大怪我を負い長期離脱。復帰後も磐田で結果を残せず、2021シーズン終了後に横浜FCへ完全移籍した。

 ただ横浜FC加入1年目の2022シーズンに26ゴールを叩き出してJ2得点王に。昨年6月に横浜FCからナインメンへ期限付き移籍すると、海外挑戦1年目からレギュラーに定着。ここまでリーグ戦22試合の出場で7ゴールをマークする中、先月27日に行われたオランダカップ準決勝戦でもゴールを奪い、チームを勝利に導いた。

 絶対的ストライカーとして活躍しているだけに、ナインメンのテクニカルディレクター(TD)を務めるカルロス・アルバース氏は1日、オランダメディア『NOS』のインタビューで「小川の買い取りオプションを行使するかどうかは、今月中に決断を下す予定だ」と語るなど、同選手の完全獲得を示唆。同メディアは「ナインメンは小川と新たに契約を結ぶ場合、彼に多額の年俸を支払わなければならない」と綴っている。

 またアルバースTDは小川獲得の経緯も説明。「最初に彼のプレー動画を見て、それから日本へ行った。Jリーグ公式戦(磐田戦)を視察したし、本人と直接話した。だけど彼はその後に靭帯を断裂した」と、5年以上前から同選手に関心を寄せていたことを明かしている。

 なおアルバース氏は2016年4月から2018年5月までFCフローニンゲンのチーフスカウトを担当。2017年にガンバ大阪から日本代表MF堂安律を獲得している。またフローニンゲン退団後はAZアルクマールのチーフスカウトとして活動。2019年に名古屋グランパスから日本代表DF菅原由勢を引き抜くなど、Jリーグの移籍市場に精通した人物として知られている。フローニンゲンのチーフスカウト時代から小川に熱視線を注いでいたアルバース氏。小川がU20W杯で負傷しなかった場合には、堂安とのダブル獲りに動いた可能性も考えられる。