ニューヨークで開催中の全米オープンテニスの会場で、ヒトラーの「最も有名なフレーズ」を口にした観客が、警備員に連れ出される出来事があった。

騒動が起きたのは、5日深夜12時15分ごろ。アーサー・アッシュ・スタジアムでは、男子シングルスの4回戦、アレクサンダー・ズベレフ選手(ドイツ)とヤニック・シナー選手(イタリア)の試合が行われていた。

第4セットでゲームカウント2-2となった後、ズベレフ選手(26)は主審に歩み寄り、観客の1人が「ヒトラーの最も有名なフレーズを口にした。許せない」と伝え、注意するよう求めた。主審は後ろを振り返り、「誰だ、誰が言った?」と大声で問いかけた後、選手に敬意を払うようアナウンスした。

その後、客は特定され、警備員によって連れ出された。モニターには複数人の警備員が客に近寄る姿が映し出され、会場からはブーイングと大きな拍手が沸き起こった。

ベズレフ選手はこの試合でシナー選手を破り、準々決勝へと駒を進めた。