シュミット・ダニエル 写真:Getty Images

 かつてベガルタ仙台でプレーしていた日本代表GKシュミット・ダニエルは、昨年末にベルギー1部シント=トロイデンVV(STVV)との契約を解除し、DF渡辺剛擁するKAAヘントへ移籍。ヘント加入に至るまでの自身の心境を振り返るとともに、浦和レッズからSTVVへ完全移籍したGK鈴木彩艶に言及した。

 2019年にベガルタ仙台からSTVVへ完全移籍したシュミットは、4シーズンにわたりSTVVの正守護神として活躍。以前からステップアップ移籍を望む中、昨年8月末にリーグアン(フランス1部)FCメスへの移籍が破談に終わると、STVVで鈴木に正守護神の座を奪われ、9月以降はリーグ戦で出番ゼロ。正守護神の長期離脱により、GKの獲得が急務だったヘントへ移籍している。

 そのヘントでは、第2GKのダビー・ローフも今年1月16日に行われた国内カップ戦準々決勝のクラブ・ブルッヘ戦で負傷退場。シュミットはこの一戦で新天地デビューを果たすと、その後もリーグ戦7試合つづけてスタメン出場。出場時間確保にくわえて、日本代表のAFCアジアカップベスト8敗退もあり、今月の北中米W杯アジア2次予選・北朝鮮戦で代表復帰の可能性が報じられている。

 そんな中、先月末に発行されたヘントのクラブ誌『ウィグワム』では、シュミットのインタビュー記事が掲載。これによると、同選手はSTVV加入からヘント移籍までの過程について、以下のようなコメントを残したという。

 「僕自身、将来的にステップアップ移籍するためにSTVVでプレーしていましたが、4年半もいました。僕の考えとは異なる状況でしたね。昨年夏にも移籍の可能性がありましたし、次のステップに進む時が来たと思っていたんです」

 「(昨年夏に)オファーを待っている間、STVVは鈴木を獲得しました。僕の移籍を容認してくれましたが、諸事情により実現しませんでした。それで今季前半戦はいわば何も仕事がない状況となり、不安定な時期を過ごしたんです。トレーニングを続けてコンディションを維持しましたけどね。ヘントから連絡が来た時はとても嬉しかったですよ」

 日本代表のGK陣では、鈴木、GK前川黛也(ヴィッセル神戸)、GK野澤大志ブランドン(FC東京)がアジアカップ開幕前の時点でA代表キャップ数5未満だっただけに、各方面から経験不足が指摘されている。それだけにネット上では、カタールW杯参戦メンバーであるシュミットやポルティモネンセ所属GK中村航輔の代表復帰を望む声も見られる。