日本で見られなくなる?

現在、韓国にはフーバオ以外に4頭のパンダがいる。フーバオの親パンダ2頭と2023年7月に誕生した双子パンダだ。親パンダの2頭は2016年に中国から貸与され韓国にやって来た。15年後の2031年までは韓国にとどまる。双子パンダの公開も始まっており、フーバオが中国に返還されても、韓国でパンダが見られなくなる事態は当面なさそうだ。

一方、日本はどうか。日本には現在9頭のパンダがいる。まず、上野動物園の4頭のうち、リ―リーとシンシン(真真)は2026年2月に返還期限を迎える。2021年に誕生したシャオシャオ(暁暁)とレイレイ(蕾蕾)は4歳となる2025年が返還のメドと見られる。和歌山のアドベンチャーワールドの4頭は、いつ返還されるのかはっきりしない。神戸にある王子動物園の1頭は高齢で2024年末に返還される見通しだ。

パンダの返還は中国との交渉によっては延長も可能だが、それも政治情勢に左右される可能性が高い。東京電力福島第一原発の処理水放出や、その後の日本産水産物の輸入停止などにより日中関係は悪化し続けている。このままでは日本でもパンダが見られなくなる日が来るかもしれない。

経済的にも政治的にも世界の大国となった中国が、力で現状変更を推し進めようとすれば、国際社会の反発は免れない。そのマイナスイメージはパンダによるソフトパワー外交では到底カバーしきれないだろう。

「パンダ外交」が友好の象徴から政治的圧力に変わることがないよう望みたい。

アイドル級人気の韓国パンダ、まもなくお別れ…「ひと目だけでも」観覧客殺到
(画像=『SEVENTIE TWO』より 引用)

文・鴨下ひろみ/提供元・SEVENTIE TWO

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