役者の演技を支え、場を盛り上げるために欠かせない歌舞伎音楽。
NHK出版が、そんな歌舞伎音楽にスポットライトを当てた『音を聴く 深く観る 歌舞伎音楽事始』を2月26日(月)に刊行した。
歌舞伎音楽を知り、より深くその伝統的な舞台の面白さを感じよう。
大人の教養書『音を聴く 深く観る 歌舞伎音楽事始』
歌舞伎音楽は、長唄や竹本(義太夫節)、常磐津節、清元節、そして黒御簾音楽など多様なジャンルから成り立つ、歌舞伎の舞台には欠かせない重要な柱だ。
『音を聴く 深く観る 歌舞伎音楽事始』は、歌舞伎音楽の特徴や歴史、鑑賞のポイントなどをまるっと解説する、歌舞伎の世界を深く味わいたい人に向けた教養書となる。
「はじめに」で歌舞伎音楽への興味心をくすぐる
本書の冒頭にある「はじめに」では、劇場の様子が細かに描写されている。
劇場前のポスター、絵看板や飾り物、劇場のにおい、筋書の写真や文章。いずれも舞台への期待感を高める、五感を刺激する要素ばかりだ。
続いて、話題は“音”の話に。歌舞伎の舞台は、チョンチョンチョン……という柝が刻む音と共に幕が開く。
歌舞伎で使用される音楽は非常に多様だ。それぞれの音楽が担う役割や、ジャンル、演奏場所、楽器、音色、発声などバリエーションにあふれ、それぞれが複雑に絡み合っている。しかし、これらの全ては「歌舞伎」という一つの世界で統一され、舞台を支えているのだ。
同書ではこうした歌舞伎音楽について分かりやすく解説し、歌舞伎の魅力を紐解いていく。
著者は近世演劇に精通する土田牧子氏
著者は、共立女子大学文芸学部教授であり、近世演劇や日本音楽史について研究する土田牧子氏。『黒御簾音楽にみる歌舞伎の近代―囃子付帳を読み解く』(雄山閣、2014年)を著書に持つプロフェッショナルだ。
日本を代表する芸能でもある「歌舞伎」。大人の教養として、歌舞伎に関する知識を深めてみてはいかがだろうか。
音を聴く 深く観る 歌舞伎音楽事始
著者:土田牧子
出版社:NHK出版
定価:2,970円(税込)
判型:四六判並製
ページ数:292ページ(内カラー4ページ)
(IKKI)