民放の横並び報道に一石
多くの人が被害に遭う大事件・大災害時のテレビ報道がどうあるべきか、結論は簡単には出ない。「国民の安心安全を守る」NHKが緊急報道を続けるのも一つのあり方だ。ただし民放が横並びでいつまで同じような報道を続けるかは、別問題といえよう。実際に最初に予定どおりの番組を放送し視聴率を急伸させたテレ東に対しては、好意的な意見がSNSに寄せられている。
「なんか少し安心した」 「心が少し癒されます」 「各局同じ内容を繰り返しているので、こういう対応もありよね」
“テレビ離れ”の視点で考えることも可能だ。全局が地震報道となった18時と18時30分を比べると、普通ならPUT(総個人視聴率)は上昇する時間帯だが、この日は逆に下がっている。全局が同じ内容となったために、地上波テレビの視聴をやめてしまった人が少なからずいたことになる。ところがテレ東が予定通りの番組の放送に戻した結果、PUTはすぐに3%ほど上昇した。“テレビ離れ”が食い止められた可能性がある。
各局の編成担当者がリアルタイム視聴率をどこまで活用しているかは不明だ。ただし視聴データが進化し、テレビがどう見られているのかが瞬時に詳細に把握できる時代になったのは間違いない。“テレビ離れ”がいわれて久しいが、百万単位の人々が同じ内容を同時に見るメディアであるテレビが今ももっとも影響力が大きい。この同時性を重視する以上、編成は視聴データを活用するかたちへと進化を続けることだろう。
(協力=鈴木祐司/次世代メディア研究所代表)
提供元・Business Journal
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