目次
■過去2作を経て3作目に挑戦した意図
■大きな目標を掲げて挑んだ3rdシーズン、脚本で苦心したこと
■主演・近藤芳正さんとの対話で生まれる構想と今作の見どころ

2020年10月、コロナ禍の日本で1本のYouTubeドラマ「おやじキャンプ飯」が公開された。これまでとは違う制限の多い生活の中で、多くの人々が野外に目を向けアウトドアブームが再来。そんな中で驚異的な再生回数を誇ることになった、このドラマが2021年の2ndシーズンを経て、2023年12月22日に3rdシーズンとして再びかえってくる!

ここでは「おやじキャンプ飯」監督・馬杉雅喜さんに3rdシーズンの見どころについて話を伺った。


【プロフィール】映画監督 馬杉雅喜
1983年京都府出身、京都在住。2017年「笠置ROCK!」で映画監督デビュー。2020年YouTubeドラマ「おやじキャンプ飯 京都編」、2022年には続編「和歌山編」を公開。2023年、第15回「京都映画企画市」にて「サバイバル忍者」が優秀映画企画に選出。

■過去2作を経て3作目に挑戦した意図

「おやじキャンプ飯〜滋賀編〜」公開直前!見どころを馬杉監督に聴く
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

2020年に1stの「京都編」、2021年に2ndの「和歌山編」を作り、実は2022年に3rdシーズンを作ろうとしていました。コロナでみんなが色々しんどい時に「おやじキャンプ飯」は30分間、何も考えなくていい時間を提供するのがコンセプトだったので。

とはいえ2022年の時点でコロナの時代は明けてきていて「3rdを作る意味があるのか?」というのは悩んでいました。ただ、ありがたいことに続編を期待する声も届いていたので、ふわふわしながらも3rdの準備を進めていました。

当時、3rdの舞台は大分県で温泉を絡めた内容で考えていました。ただ僕含めスタッフが関西をベースにしている人が多い中、大分でやろうとしても中々うまくいかなくて、2022年に3rdシーズン構想は頓挫しました。僕としても「1、2をやって区切りもいいし、これで終わりかな」とも思いました。

そんな中、よく行くアウトドアショップに行ったら「もうキャンプブームが去って、いよいよヤバいです」と。商品も売れない、このままではお店の存続自体も厳しいかもしれない、という話を聞きました。

おやじキャンプ飯は「閉塞的な世の中に対して自分達ができることを」という気持ちで作っていましたが、キャンプブームに助けられて話題にしていただいたので、今度は逆に「キャンプ業界に自分達ができることを」だったり「恩返し」として、ずっと続けていけたらと思いました。

きっと今の子供たちが大きくなった時に、またキャンプブームが来る。それを信じてずっと続けていけたらいいんじゃないかって思えてきたのです。だから「舞台は47都道府県を制覇しよう! 半世紀続くコンテンツにしよう!」という目標を掲げて、3rdシーズンを始動させました。

主演の近藤芳正さんや僕らスタッフが元気でやれるうちはこのメンバーで続けていきたいですが、世代交代をしたりYouTubeだけでなく映画やテレビでもいい、時代やタイミングに合ったプラットフォームで続けていけたらいいなと考えています。

▼【予告編】おやじキャンプ飯〜滋賀編〜

■大きな目標を掲げて挑んだ3rdシーズン、脚本で苦心したこと

「おやじキャンプ飯〜滋賀編〜」公開直前!見どころを馬杉監督に聴く
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

大分編を諦めたときに、まずは関西を固めていこうと思いました。関西にはキャンプメーカーも多いし、良いキャンプ場も多い。それなら琵琶湖だろう、と。琵琶湖の周辺にはキャンプ場がたくさんありますからね。

脚本目線でいうと、1stシーズンは娘との話、2ndシーズンは元奥さんを含めた家族の話。3rdシーズンどうしようか? となった際、ずっと家族の話を続けていくのも無理があるし、人生においておやじが向き合うテーマはなんだろうと考えた時に、やっぱり恋愛って大きいんじゃないかなと。

そういう視点で「明夫の恋」というテーマが生まれました。

47都道府県を制覇しようと決めた時にロールモデルとして「男はつらいよ」が挙がっていて、毎回ヒロインがいて寅さんが旅先で恋をして失恋して帰ってくる、そんな普遍性のあるドラマになってもいいのかなと思っています。もちろん、「キャンプ、飯、中華」というのはブレないですが。