2013年から2017年までリバプール(イングランド1部)の主力選手として大活躍し、同クラブで確固たる地位を確立したブラジル代表MFフェリペ・コウチーニョ。2018年1月にスペイン1部のバルセロナへ移籍した際は多くの注目を集めたが、かつてリバプールの10番を背負いチームを牽引した輝かしいキャリアから一転、31歳になった現在は苦難の道を歩んでいる。
バルセロナ所属時は、ラ・リーガで2度の優勝を経験するなど成功を収めたコウチーニョ。しかしその一方で怪我の多さからプレー時間が限られ、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ1部)、アストン・ビラ(イングランド1部)へのレンタル移籍期間を経て、2022年5月にバルセロナを退団。アストン・ビラに完全移籍後、2023年9月にカタール1部のアル・ドゥハイルへ期限付き移籍している。
退団から6年後の今年『リバプールエコー』がコウチーニョのインタビューを掲載した。そこには、退団直前の2017年、当時からリバプールを指揮していたユルゲン・クロップ監督が同選手に伝えたという言葉も記載されている。
「ここ(リバプール)に留まれば、彼ら(同クラブ)はあなたを称え銅像を建てることになるだろう。どこか他の場所、バルセロナ、バイエルン・ミュンヘン、レアル・マドリードに行けば、君はただの選手になってしまう。ここにいれば君はそれ以上の何かになれるんだ」
インタビューの中でコウチーニョは、リバプールやバルセロナの退団を含む自身のキャリアについて次のように語っている。
「後悔はしていない。僕が想像していたような、みんなが期待していたような、僕が期待していたような結果にはならなかった。僕は常にプロフェッショナルであり後悔はしていない」
「バルサ(バルセロナ)でプレーすることは常に僕の夢だった。バルサに行けて楽しかった。多くの人に会えてタイトルも獲れた。それは僕の人生の物語の中に永遠に残るだろう」
「何も変えることはないよ。(過去に)戻ることは不可能だけど、さっきも言ったように後悔はしていないし、ここでも昨年も来年もトレーニングでは常に全力を尽くす。うまくいけば最高だし、そうでなければ耐えるしかない」
現在、コウチーニョが歩んでいるキャリアは、クロップ監督が指摘したものに近いと言わざるをえない。この逆境を乗り超え、かつての輝きを取り戻すことができるだろうか。注目と期待が集まる。