アレクサンダル・チャヴリッチ(鹿島アントラーズ)
過去に町田ゼルビアやセレッソ大阪を率いたランコ・ポポヴィッチ氏を新監督に招聘し、2016年以来となる国内タイトル獲得に向けスタートを切った鹿島アントラーズ。昨年までチームの中枢を担ったMFディエゴ・ピトゥカなど複数の外国籍選手がチームを去ったが、新戦力にも期待の外国籍選手は数多くいる。
その中の1人、今冬期限付きで鹿島へ加入したFWアレクサンダル・チャヴリッチは開幕戦でスタメンに抜擢。エースのFW鈴木優磨が怪我の影響もあってかベンチスタートという懸念もあったが、チャヴリッチが初陣から多くの見せ場を作ったことで不安要素を払拭した。1点リードで迎えた後半戦序盤、ピンポイントのクロスを競り合いながら頭で合わせて追加点をもたらすと、ダメ押しとなる3点目のシーンではエリア内からふわりと浮かせたボールでアシストもマーク。力強さと柔軟さを発揮し勝利を呼び込む原動力となった。
岩崎悠人(アビスパ福岡)
今冬、2023シーズンの躍進を支えたFW山岸祐也やMF井手口陽介ら複数の主力選手を失ったアビスパ福岡。しかし、開幕戦から出番を得て躍動した新加入選手たちの働きぶりからは、必ずしも不安要素ばかりでないことが見て取れた。特に次節以降も楽しみなのが、サガン鳥栖から加入したFW岩崎悠人だ。
初陣から積極的なシュートへの姿勢をみせ、豊富な運動量と存在感を存分に発揮している。残念ながらシーズン初戦で勝利をもたらすことは叶わなかったが、早くもチームに順応し定位置確保に成功している印象を漂わせる。攻撃的なポジションは、開幕戦で途中出場を果たしたMF金森健志など実力者が揃う福岡。岩崎の加入によって、序列争いも激化することは間違いない。その中で、チームとしてはもちろん岩崎個人としてもどんな進化が見られるのか楽しみだ。
山田楓喜(東京ヴェルディ)
昨2023シーズン、プレーオフを勝ち上がり16年ぶりにJ1昇格を決めた東京ヴェルディ。今冬は期限付きも含め多くの新戦力を迎えて、久々のトップカテゴリーに臨んでいる。開幕戦では残念ながら王座奪還を狙う横浜F・マリノスの前に逆転負けを喫したが、MF見木友哉やMF翁長聖ら注目の新戦力がスタメンに名を連ね国立競技場のピッチで躍動していた。
なかでも試合開始直後から輝きを放っていたのが、京都サンガから期限付きで加入のMF山田楓喜だ。前半早々に得たフリーキックの場面、短い助走から鮮やかに決めて先制点をマーク。さらにパスカットから決定機を演出するなど、序盤から存在感を発揮。敗れたとはいえ、新チームでの手ごたえを感じる試合となったことだろう。今季、山田にとってはパリ五輪世代の代表メンバー入りに向けても勝負の年。このままの勢いで次節以降も躍動する姿を見せられるか注目だ。