石井正忠 写真:Getty Images

 かつて鹿島アントラーズや大宮アルディージャを率いていた石井正忠氏は、タイ代表監督としてAFCアジアカップでベスト16入り。今月28日、タイサッカー協会(FAT)と2026年7月までの契約延長で合意。北中米W杯の本大会出場を目指して同国代表を指揮することが確実となっている。

 石井氏は2021年末にタイ1部サムットプラーカーンFCからブリーラム・ユナイテッドに引き抜かれると、2021/22シーズンから2年続けてタイ国内3冠を達成。2022/23シーズン終了後から数カ月にわたりフリーの身だったが、タイ代表がFIFAワールドカップ北中米大会(北中米W杯)アジア2次予選で中国代表相手に敗れたこともあり、2023年11月下旬に同国代表の監督に就任した。

 タイ代表監督としての初陣は、今年1月1日に国立競技場で行われた国際親善試合の日本戦。この時は試合数日前までタイ国内リーグ戦が開催されていたため、全体練習の時間がほとんど確保できず。MFエカニット・パンヤ(浦和レッズ)やMFスパチョーク・サラチャート(北海道コンサドーレ札幌)を擁していたとはいえ、MFチャナティップ・ソングラシン(BGパトゥム・ユナイテッド)を欠いたこともあり、森保ジャパン相手に0-5と大差をつけられた。

 それでもアジアカップでは、グループステージ初戦でキルギスを2-0で下すと、オマーンや強豪国サウジアラビア相手に引き分け。グループ2位で決勝トーナメントへ駒を進めたが、ラウンド16でウズベキスタンに1-2で敗れた。

 ベスト16入りという結果を高く評価された石井監督。FATとの契約は今月末までだったが、日本人指導者を熟知しているマダム・パン氏が今月のFAT会長選挙で当選したことにより、新たに複数年契約を勝ち取っている。

 なおタイ代表は北中米W杯アジア2次予選で韓国、中国、シンガポールと対戦。2試合を終えて1勝1敗である中、今年3月の国際Aマッチデー期間中に韓国代表とホームアンドアウエーで激突する。アジア最終予選の舞台で日本対タイが実現し、日本人指揮官がピッチサイドに並ぶ可能性も考えられる。