1月31日(水)に鶴見・潮見橋にある新明丸から、東京湾のフグを狙った。当日は渋い状況となり、『湾フグ』釣りの基本ともいえる部分のていねいさが、釣り人に求められた一日となった。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

東京湾カットウフグ釣りで釣る人ショウサイフグ2桁【神奈川・新明丸】トラフグも混じる

新明丸でフグ狙い

東京湾では、時期によりショウサイフグ、ヒガンフグ、コモンフグ、そしてトラフグとさまざまなフグが通年で釣りターゲットとなっていて、総称して『湾フグ』の名で、古くから親しまれている。

乗っ込み期のトラフグを除き、10号前後の軽いオモリを使用し、流れのある水深の浅いエリアをメインに狙うため、道具立てや仕掛け、エサも共通。

さらに、釣趣は奥深く、釣れたら船宿で可食部のみの身欠きの状態に処理してくれるので、安心して食べられることも人気となっている。

例年、この時期はもっとも水温が下がり厳しいシーズンだが、今年は少し模様が異なっている。

東京湾カットウフグ釣りで釣る人ショウサイフグ2桁【神奈川・新明丸】トラフグも混じる新明丸船着場周辺略図(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

当日の状況

どんな状況なのか、新明丸の舵を握る林大地船長に状況を聞くと、

「水温は表層で11度ぐらいと下がっていて、例年であれば釣れるフグを探すのも大変な時期なのですが、今年は大貫沖でポツポツとショウサイフグメインに釣れています。また、年明けから、同じエリアでトラフグが交じっています。しかし、高水温期のようにアタリが大きく出るわけではないので、釣果に差はあるし、釣りの組み立てが雑だとアタリが出ません。誘いと食わせの間。そこに注意してていねいな釣りを心がけるといいと思います」

と話してくれた。

大貫沖でスタート

この日集まったのは23人。右舷に12人、左舷に11人が入り、私は右舷胴の間に座を構える。定刻に出船、8時半ごろ大貫沖に到着。

ポイントを見定めると船をアンカリング。「この辺りから始めてみましょう。オモリ10号で仕掛けが海底で止まると思いますが、潮の速さをみて、オモリの重さを替えていってください」とアナウンスが流れて釣り開始。

東京湾カットウフグ釣りで釣る人ショウサイフグ2桁【神奈川・新明丸】トラフグも混じる当日のタックル(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

激渋のなか基本を忠実に実践

仕掛けを前方に投げ入れると水深8mほど。イトフケを取って基本の誘いに入る。竿先をチョンと跳ね上げるような動きを与え、仕掛けの重さを竿の穂持ちに乗せながら再びゆっくり着底。ゼロテンのポジションを取り、竿先に出るアタリを見ていく。

反応がなければ再び誘いを入れていくが、誘い後の食わせの間はその日によって異なるので、活性に合わせて3~10秒程度の間でコントロールしている。

スタートから30分、数回目の流し変えで「顔は出ましたよ。潮が少し速くなってきたので、アタリが出せていない人はオモリを重くしてください。海底で仕掛けが動くとアタリが出ませんからね」と、船長から的確なアドバイスが出る。

そこで、オモリを15号にチェンジ。すると、その直後に誘ったあとゼロテンションで、わずかにトップガイドが震えるようなアタリ。ハリスの長さぶん聞き上げるとズンっという重量感。追いアワセを入れてからリーリング。力強いトルクで一気に横走りすると、弧を描くように走り、姿を見せたのは良型ショウサイフグ。船長のアドバイス通り、仕掛けが海底で安定すれば、しっかりと結果が出た瞬間であった。

東京湾カットウフグ釣りで釣る人ショウサイフグ2桁【神奈川・新明丸】トラフグも混じる良型ショウサイフグに笑顔(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)