谷晃生(湘南ベルマーレ在籍時) 写真:Getty Images

 ガンバ大阪から町田ゼルビアへ期限付き移籍中の日本代表GK谷晃生は、今月24日開催の明治安田J1リーグ開幕節・G大阪戦でフル出場。試合後、自らの時間稼ぎ、遅延行為やG大阪サポーターからのブーイングに言及した。

 かつて湘南ベルマーレの正守護神として活躍していた谷は、湘南からG大阪復帰1年目の2023シーズンは、低調なパフォーマンスを露呈。5月中旬以降はGK東口順昭に正守護神の座を明け渡すと、昨年8月にベルギー2部FCVデンデルEHへ1年レンタルにより加入。しかしデンデルでも出場機会に恵まれず、今年1月にレンタル打ち切り。GKポープ・ウィリアムの後釜として、G大阪から町田へ期限付き移籍した。

 町田の一員として迎えたJ1開幕戦では、後半途中でMF仙頭啓矢が2枚目のイエローカードを貰い退場となった後に好セーブを連発。ただ一方で、ボールをキャッチした後にピッチに倒れ込む仕草を何度も見せてG大阪サポーターからブーイングを浴びたほか、90+2分には遅延行為に該当するとしてイエローカードを提示されている。

 FW宇佐美貴史のフリーキックからゴールネットを揺らされたとはいえ、1失点にまとめた谷。試合後、インターネットテレビ『ABEMA』制作「FC町田ゼルビアをつくろう〜ゼルつく」のインタビューに対応。「今日の試合、谷選手の中で一番印象に残っているシーンは?」と訊かれると、「いや、僕の時間稼ぎでしょ」と歯を見せながら回答。

 「あの、心苦しかったです、本当に。町田のためにプレーしている以上、何としても勝ち点を獲らないといけないと思っていましたし、後ろ(G大阪サポーターが陣取るゴール裏)は振り返られなかったですけど」と、古巣のファン・サポーターにも言及した上で「今日みたいなアクシデントがあった中でも、勝ち点3を獲れるようなタフなチームになっていけたらと思います」と新天地での意気込みを語った。

 一方、Jリーグ公式サイトや一部報道によると、同選手は「遅延行為で警告を受けましたが、あとでガンバの選手には謝りました」とコメント。時間稼ぎと解釈可能な行為に及んだ背景について「申し訳ない気持ちもありますけど、僕もやるしかなくて」と語ったという。

 この「やるしかなくて」というコメントは、瞬く間にX(旧ツイッター)上で話題に。「谷、正直すぎる」「コメントを見ると谷も可哀想」と守護神のメンタルを気遣うファン・サポーターがいる一方で、「この言い方って、黒田剛監督やスタッフからの指示があったのかな」「選手たちも勝つためにやりたくないことを強制されているのかな?」などの憶測が飛び交っている。