今月14日にAFCアジアカップ開幕戦に臨むサッカー日本代表「森保ジャパン」。優勝候補と目される中、代表OBの槙野智章氏が2019年に行われた前回大会の裏側を語っている。
森保一監督のもとで臨んだアジアカップ2019の日本代表には、槙野やDF長友佑都(FC東京)、GK権田修一(清水エスパルス)、FW大迫勇也(ヴィッセル神戸)らが招集。現在の代表メンバーではMF堂安律(SCフライブルク)やMF南野拓実(ASモナコ)、FW伊東純也(スタッド・ランス)、DF冨安健洋(アーセナル)らが名を連ねていたが、当時はプレミアリーグなど欧州トップレベルの舞台でコンスタントにプレーしている選手がほとんどいなかった。
その日本代表はグループリーグを3戦全勝で通過。決勝トーナメントでもサウジアラビア、ベトナム、イランを下したが、決勝戦でカタールに1-3で敗れ、タイトルを逃した。
当時はまだ国内組(Jリーガー)も一定数いた日本代表。そのうちのひとりである槙野氏は、スポーツ動画配信サービス『DAZN』制作の「AFCアジアカップ直前座談会」に出演した際、当時の日本代表の雰囲気について以下のようなコメントを残している。
「(序列関係を巡る争いは)あまり激しくなかった。やっぱりJリーグでプレーしている選手たちは『俺たちはJリーグ・国内組。海外でプレーしている選手の方がいいだろうな』と、正直選手間でもランク付けがあった。選手間でリスペクトはもちろん大事だけど、それを持ちすぎるのは良くない。この4年でそれがガラッと変わったのは大きな進歩だと思う」
また槙野氏は、第2次森保監督体制とそれ以前の代表チームの違いについて「選手がベンチに座っている時の不満が、過去の大会だったり歴代の監督見ていると『なぜ俺出れないの』とか、選手たちの間でも『なぜお前出てないの』というのがある。なぜかと言えば、監督目線で海外でプレーしているから選ぶ、ピッチに立たせるという流れがあった。けど今は、海外に行っても選ばない、海外に行ってポジション確保して、コンディション良くないと試合に出さないというスタンスがある」と説明。欧州で結果を残す日本人選手の増加が、代表での競争力アップに繋がっているとの認識を示した。
なお今大会のメンバーからは、ラツィオでスタメンでの出場機会を得られていないMF鎌田大地、今季スコットランド1部リーグで8ゴールと昨季ほどの結果を残せていないFW古橋亨梧が落選。MF田中碧は1月1日開催の「TOYO TIRES CUP 2024」タイ戦でも先制ゴールをマークしたにも関わらず招集されなかった。