浦和レッズ、オランダ1部フェイエノールト、北海道コンサドーレ札幌など複数クラブでプレーし、2023シーズン限りで現役を退いた小野伸二が、浦和入団時のエピソードを語っている。
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母子家庭で育った小野は、13歳でU16日本代表に選出されるなど頭角を現すと、10以上のクラブからオファーが届く中、清水商業高校卒業後に浦和へ入団。高卒1年目の1998年にいきなりJリーグ27試合の出場で9ゴールを挙げたほか、FIFAワールドカップ・フランス大会の日本代表メンバーに抜てきされている。
華々しいプロ1年目を過ごした小野だが、その裏では浦和幹部からとあることを教わっていたという。本人はDAZN制作『内田篤人のフットボール・タイム』に出演した際、浦和から支度金を用意された時の出来事を振り返っている。
「支度金は当時のGM(ゼネラルマネジャー)が現金で持って来て下さって。裕福な家庭でも無かったので、そういうものに支払いもしないといけないという気遣いだと思うんですけどね。普通は振込じゃないですか」
「(現金を受け取る時に)僕が『ありがとうございました』と言ったら、その人(GM)が『しっかり数えなさい。本当にその金額あるか分からないぞ』と(言ってくれました)。人を簡単に信用してはいけないということを、そこで学ばせてもらったんですよね。数えた上でお金を頂いて、その中の1万円だけ(僕が)頂いて、あとは全部(母親に渡したんです)」
フェイエノールトでUEFAカップ優勝を成し遂げるなど、20年以上のわたるプロキャリアで多くの成功を収めた小野。元浦和幹部の一言が、同選手の人格形成に大きな影響を与えていた。