日本代表の選手たち 写真:Getty Images

 AFCアジアカップ開幕戦を今月14日に控える日本代表。MF久保建英(レアル・ソシエダ)、MF三笘薫(ブライトン)らが選出された一方、MF田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)やMF鎌田大地(ラツィオ)らの落選が話題を呼んでいる。その森保ジャパンの高い競争レベルの背景を、代表OBの槙野智章氏が分析した。

 今大会のメンバーにはMF遠藤航(リバプール)やMF守田英正(スポルティングCP)などが名を連ねたほか、負傷離脱の影響が心配されている三笘も招集。一方で、ラツィオでスタメンでの出場機会を得られていない鎌田、今季スコットランド1部リーグで8ゴールと昨季ほどの結果を残せていないFW古橋亨梧が落選。田中は1月1日開催の「TOYO TIRES CUP 2024」タイ戦でも先制ゴールをマークしたにも関わらず、メンバーから漏れた。

 プレミアリーグをはじめ欧州トップレベルで結果を残す日本人選手が増えているだけに、日本代表メンバー枠を巡る競争も以前より激化。欧州クラブでプレーしているだけでは招集されなくなったのが実情だ。

 そんな代表の高いレベルでの競争は、スポーツ動画配信サービス『DAZN』制作の「AFCアジアカップ直前座談会」でも話題に。「今の日本代表は、メンタルが外国籍選手みたい。全員が個々で戦術眼を持っていて、色々と主張できる。一人ひとりの基準が高くなっている」などの意見が飛び出すと、槙野氏は「メンタルが外国籍選手」がより見えるシーンを以下のように説明している。

 「練習前のウォーミングアップでやるロンド(鳥かご)では色々なものが見える。ウォーミングアップを兼ねて楽しくやる、技術の向上もあるけど、鬼に入るか入らないかという部分もすごく見える」

 「日本人選手はミスを認めて鬼に入るけど、日本代表の選手は海外でプレーしている選手が多いので、なかなかミスを認めて鬼に入ろうとしない。良い意味でずる賢かったり、勝負で拘っている部分でもあるので。(ロンドで)『お前のミスだろ』『いやいや、お前のパスが短いんだろ』といったコミュニケーションがある」

 ずる賢さと言えば、守田がカタールW杯開催時の2022年11月に「『ずる賢さ』という技術―日本人に足りないメンタリティ」と自伝を出版したことが記憶に新しい。数年前までは海外で「ずる賢さが足りない」と指摘を受けていた日本代表だが、今やその面影はない。