サンフレッチェ広島、浦和レッズ、FC岐阜でプレーし、2023シーズンをもって現役を退いた柏木陽介氏が、浦和時代の規律違反を回顧。FW杉本健勇(現横浜F・マリノス)とともにコロナ禍で外食した理由を語っているが、一部のファン・サポーターから厳しい声が上がっている。
柏木氏は2010シーズンからおよそ10年間にわたり浦和でプレー。主力選手として活躍し、2017年のAFCチャンピオンズリーグをはじめ複数のタイトルを獲得していた。しかし2021年2月に沖縄県でのトレーニングキャンプ参加中に外食。クラブの内部規定ではキャンプ中に近隣のコンビニエンスストア以外への外出や外食が禁止されていた。
くわえて複数回にわたり規律違反行為があったことが確認されたことから、トレーニング参加を見合わせ。リカルド・ロドリゲス監督の構想から外れると、翌月にFC岐阜へ完全移籍している。
浦和時代の過ちから多くを学び、岐阜で再起を図った柏木氏は、今月はじめに行われた引退会見で「度重なる規律違反という形でチームを去らないといけないのは本当に苦しかった」と、浦和退団を振り返っていた。
さらに同氏は先日、浦和OBである鈴木啓太氏と対談。対談の様子は今月30日に鈴木氏のYouTubeチャンネルで公開されているが、神妙な面持ちで自身が規律違反に及んだ背景を語っている。
「キャンプ中に本当に(外に)出なかったんですけど、やっぱり飲食店が困っているということで、一応お金を落としてあげられるぐらい気持ちだけ行こうかという話になって、ご飯に行ったという感じですね」
「今でも『なんで行ったんだろう』とは思いますけど、本当にチームの決まり事を破っちゃいけないんだなというところと、たくさんの人に迷惑をかけたということはあるので、そこに対しては自分の甘さだったし、本当に申し訳ないなと。ただ自分の生き方としては自分らしかったんじゃないかというところの、今だからこのように思えますね。何だろう、バランスはすごく難しいんですけど。あれが無かったら、自分的にはもっと視野が狭くなっていた人生を送っていたと、今となっては思えるので」
「浦和を離れなきゃ、今の視野が広がった自分には出会えなかったと思えるので。何だろう、この伝え方はすごく難しいんですけど、たくさんの人に迷惑をかけたし、ひとりのサッカー選手、チーム団体のひとりとして、沢山のスポンサーさんがいる中のひとりとしては、あるまじき行為だったと感じています」
浦和が誇るレジェンドの前で偽りのない気持ちを明かした柏木氏だが、「飲食店にお金を落とすために」という主旨の発言内容が話題に。「言い訳にしか聞こえない」「飲食店のためは流石に保身。当時そんなコメント一切なかった」「規則を破ってまですることなのか疑問」といった声が上がっているほか、「寄付で良かっただけの話」「お金を送って店で食事をする必要はない」と飲食以外の方法を提示するSNSユーザーもいる。
ただ一方で「飲食店のためにというのは、本心で想っての行動だったのかなと思った」などと、一定の理解を示すファン・サポーターも。「岐阜での時間が今後の人生に生きるよ」「過ちを気に病むことはない。ただ認めて、次の糧にすればいい」と、柏木氏に対する励ましのメッセージも寄せられている。