ガンバ大阪からFC町田ゼルビアへ期限付き移籍中の日本代表GK谷晃生は、今月24日開催の明治安田J1リーグ開幕節・G大阪戦でフル出場。時間稼ぎとも解釈可能なプレーで注目を集める中、G大阪戦出場の裏側を明かした。
現在23歳の谷は、かつて湘南ベルマーレの正守護神として活躍したほか、2021年にはU24日本代表の一員として東京五輪へ参戦していた。しかし湘南からG大阪復帰1年目の2023シーズンは、低調なパフォーマンスを露呈。5月中旬以降はGK東口順昭に正守護神の座を明け渡すと、昨年8月にベルギー2部FCVデンデルEHへ1年レンタルにより加入。しかしデンデルでも出場機会に恵まれず、今年1月にレンタル打ち切り。GKポープ・ウィリアムの後釜として、G大阪から町田へ期限付き移籍している。
期限付き移籍により加入した選手は「期限付き移籍元のクラブと対戦では出場不可能」である場合は多い。しかし谷はG大阪との対戦でピッチに立つと、後半に味方選手が退場し防戦一方の試合展開となる中で好セーブを連発。ボールをキャッチした後にピッチに倒れ込む仕草を何度も見せてG大阪サポーターからブーイングを浴びたほか、90+2分には遅延行為に該当するとしてイエローカードを提示されている。
G大阪時代から良好な関係を築いているFW宇佐美貴史のフリーキックからゴールネットを揺らされたとはいえ、1失点にまとめた谷。インターネット動画配信サービス『DAZN』で26日配信開始の「やべっちスタジアム」で紹介された試合後インタビューで「チームとしても開幕戦から出られないと計算が立たないという部分もあるので、自分としては『何としても出たい』という思いで直訴しました」と、G大阪戦でプレーした背景に自らの意思があったことを強調。
「自分の古巣ということもある中で、すごく特別な90分間だったかなと感じています。全然満足できるような内容ではなかったので、最後のところでしっかりとゴールを守れる選手になっていけたらと思います」と、今後の戦いにむけての意気込みも語った。
なおJリーグ公式サイトや一部報道によると、谷は「遅延行為で警告を受けましたが、あとでガンバの選手には謝りました」とコメント。時間稼ぎと解釈可能な行為に及んだ背景について「申し訳ない気持ちもありますけど、僕もやるしかなくて」と語ったという。
また同選手の「やるしかなくて」というコメントは、瞬く間にX(旧ツイッター)上で話題に。「谷、正直すぎる」「コメントを見ると谷も可哀想」と守護神のメンタルを気遣うファン・サポーターがいる一方で、「この言い方って、黒田剛監督やスタッフからの指示があったのかな」「選手たちも勝つためにやりたくないことを強制されているのかな?」といった批判や疑問も飛び交っている。