個性が薄いことこそが個性
そうなると、やはりロッテリアは「特徴のないハンバーガーチェーン」ということなのだろうか。それなのに業界3位になれるのはなぜなのか。
「極端な言い方をすると、ロッテリアは個性が薄いことこそが個性です。普段モスに行く人もマックに行く人も、その時たまたまロッテリアがあれば、そちらを選択することに特にためらいはなさそうな気がします。ただ、この戦略は常に競合他社の出方に合わせた臨機応変な対応も求められるため、ある意味では不安定で脆弱な部分もありそうです」(同)
「特徴のなさ」によって、マック派もモス派も取り込める懐の深さが生まれたということか。しかし、それだけだと強い個性があるバーガーキングや女性層の支持が高いフレッシュネスバーガーなどに追いつかれてしまいそうだが……。
「個性がないとはいっても、ロッテリアには極めてオリジナリティの高い看板商品があります。それが『絶品チーズバーガー』です。シンプルながら印象の強い味わいで、きっとハマっている固定ファンも多いことでしょう。しかしこれも見方によっては、マックほどソリッドではなく、かといってモスほどファミリーに寄っているわけでもなく、ほどほどに本格的で同時に親しみやすさもある、やはり中間的な着地の商品とも言えるかもしれません。
このようにロッテリアは、ロッテリアならではの強烈な個性そのものは薄いともいえるでしょう。しかし、先ほど述べたようにマックとモスの2トップは真逆の個性を持っています。その間には真空地帯といってもいい部分があり、そこにすっぽりと収まるという形で独自のポジションを確立しているのがロッテリアなのではないでしょうか。フレッシュネスやバーガーキングは、またそれぞれ独特の個性の強いポジションを指向しているので、ロッテリアの代わりは務まりません。今後、ロッテリアがまるでサーフィンのようなバランス感覚で荒波を乗り切っていくのか、あるいは新たな独自路線で『安住の地』を求めるのか、注目していきたいところです」
(文=佐藤勇馬、協力=稲田俊輔/「エリックサウス」総料理長)
提供元・Business Journal
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