車でお出かけする際、しばしばネックになるのが「駐車場」の問題です。台数が限られていたり、駐車スペースが狭かったりなど、目的地に到着してもスムーズに車を止められないケースもあるでしょう。

さらに駐車中のドアパンチなど、駐車場においては「泣き寝入り」につながるトラブルが発生することも。今回はドライバーの方々に、「駐車場で遭遇したトラブル」について話を聞きました。

目次
ショッピングカートが車に接触、賠償は?
狭いコインパーキング、大きな車に囲まれ「詰み状態」に

ショッピングカートが車に接触、賠償は?

「コインパーキングで“詰み状態”」「親子連れがウチの車に…意外とスムーズに解決できない駐車場トラブル
(画像=『MOBY』より 引用)

©︎Masaharu Shirosuna/stock.adobe

スーパーやホームセンターなどでは、重い荷物を車まで運ぶため、駐車場でもショッピングカートを使うことがあるでしょう。しかし、傾斜や段差、強風などの影響により、カートの操作がおぼつかなくなるケースもあるようです。

「ドラッグストアに車を止め、妻が買い物をしているのを車内で待っていると、後ろからコツンと何かがぶつかった音がしました。その瞬間、『もう、何やってるの!』という女性の怒鳴り声。車から降りると、幼稚園児くらいの男の子が母親に叱られていました。

車のバンパーのあたりには、お店のショッピングカートがあって……どうやら男の子がカートをふざけて動かし、私の車にぶつかってしまったようです。母親は私の姿を見て、子どもに『ほら、謝って』とキツイ口調で促し、男の子は涙目になりながら『ごめんなさい』と。

ぶつかった箇所を確認していないので『大丈夫だよ』とも言えず、『ぶつけちゃったんだね』とバンパーに近寄ると、母親はすごい勢いで子どもの手を引き、自分の車に乗り込んで去ってしまいました。彼女から私に対しては、何の言葉もないままです。

幸い、カートによる傷は確認できませんでしたが、大人としてあの対応はどうなんでしょう? 今考えると、子どもをチャイルドシートにも乗せずに急いで出発していましたし……」(60代男性)

上のケースでは傷がつかなかったとのことですが、もし商業施設の駐車場に止まっている車とショッピングカートが接触し、車が傷ついてしまった場合、賠償などはどのように扱われるのでしょうか。損害保険会社のスタッフに聞くと、次のような回答がありました。

「駐車してある車にカートが接触しても、交通事故としては扱われませんので、基本的には本人同士の話し合いで対処することになります。

ただ、カートでぶつけた側が自動車保険の個人賠償特約などに加入している場合であれば、それを使って賠償できるケースもありますので、まずは互いが加入している保険の契約内容を確認するとよいでしょう。

あるいは、ぶつけた側が支払いを渋っている場合などは、交渉の手間を抑えるために、ぶつけられた側が車両保険を使う例もありますね」(損害保険会社サービスセンタースタッフ)

個人賠償特約とは、自動車に乗っている最中の事故だけではなく、「買い物中に店の商品を壊してしまった」など、日常生活において自身や家族が起こしてしまった損害をカバーする特約です。自動車保険のオプションとして加入している人も少なくありませんので、修理が必要なダメージが生じた場合には、この特約による賠償を検討するとよいでしょう。

しかし、こうした特約がないケースでは、本人同士で賠償の是非や額について決定しなければいけません。その場で連絡先を交換し、「カートのどの部分がどこに当たり、どの傷ができたのか」を双方が確認して写真に残したり、支払い方法についての取り決めを録音したりなど、煩雑な対処が必要になると考えられます。

ただし、このように証拠を残したとしても、当人同士では後から話がこじれてしまうケースも多く、結果としてぶつけられた側が「自腹で修理」あるいは「自身の車両保険で修理」となってしまう可能性もあるでしょう。

狭いコインパーキング、大きな車に囲まれ「詰み状態」に

「コインパーキングで“詰み状態”」「親子連れがウチの車に…意外とスムーズに解決できない駐車場トラブル
(画像=『MOBY』より 引用)

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繁華街などに設置されたコインパーキングは、立地上スペースが限られていたり、変則的な配置になっていたりすることが少なくありません。そのような駐車場においては、「頭から入れると出られなくなる」など、いわゆる「詰み」の状態に追い込まれることも。

「出先でコインパーキングを利用した際、一番奥しか空きがなく、どうにかバックで駐車しました。かなり狭い駐車場で、向かいの列はすべて軽専用だったのですが、それでも間隔が近くて。『出るときは何度か切り返しが必要だな』と思いながら、その場を後にしました。

用事を終えて戻ってくると、隣にはBMWの7シリーズが枠いっぱいに……というか、先端は明らかに枠からはみ出してしまっています。それだけならまだよかったのですが、その向かいには普通車のセダンが……『軽』の表示を無視して駐車していたんです。

一応出ようとチャレンジしてみましたが、ハンドルを思いきり切らなければフロントがセダンに当たりますし、切ったら切ったで側面がBMWに当たってしまいます。諦めて駐車場の管理元に電話しましたが、すぐには対処できないと言われ、仕方なくカフェで時間を潰しました。

その間も何度か状況を見にいくものの、どちらも動かず、結局2時間ほど待たされるハメに。セダンの方がいなくなったので、どうにか出られましたが、カフェ代と余分に払わされた駐車料金があわせて1500円ほど。管理元に請求するのもなんだかなぁと思い、ただただ自分だけが痛い目に遭っておしまいです」(40代男性)

近年では自動車のボディが拡大傾向にあり、普通車であっても駐車枠に収まらないケースが少なくありません。既存の駐車スペースを拡大するには相応のコストが必要ですから、このまま大きな車が増えていけば、ボディサイズと駐車スペースのギャップはより顕著になっていくかもしれません。

また、コインパーキングなどで軽専用のスペースに普通車を止めてしまうと、その隣のスペースを圧迫してしまうだけでなく、上のように通路を塞いでしまう可能性があります。駐車場を利用する際には定められたルールに従い、周囲の車に配慮していきたいところです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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