光る観葉植物「ホタル・ペチュニア」の予約販売が開始!幻想世界が現実に
ライトバイオ社によって遺伝子改変されたペチュニアは「ホタル・ペチュニア(Firefly Petunia)」と名付けられています。
もともとのペチュニアは、春から秋にかけて長い間咲き続ける草花であり、多彩な色とボリュームのある花びらで花壇を賑わせてくれます。
緑の葉と白い花が特徴的なホタル・ペチュニアも同様に美しい存在ですが、他のペチュニアとは一味違います。
夕暮れ後には、月光に似た「柔らかくて美しい光」を放つのです。

その夜の輝きは、植物が日中に太陽からエネルギーを収集することでもたらされるため、毎日数時間の直射日光が当たる環境で育てることが大切なようです。
そしてライトバイオ社が栽培するホタル・ペチュニアは、2023年の9月に、アメリカ合衆国農務省(USDA)の承認を得ました。
USDAによると、「ホタル・ペチュニアは、既存のペチュニアと比較しても、植物害虫のリスクが増大する可能性は低い」とのこと。
この承認により、ライトバイオ社は、ホタル・ペチュニアの予約販売を開始しました。
今のところ、発送はアメリカだけに限定されていますが、一株29ドル(約4300円)であり、2024年4月には出荷が開始されます。
一方で、ホタル・ペチュニアは特許によって保護されているため、繁殖や育種(遺伝的に改良すること)は許可されていません。
発送地域が限られているものの、一般家庭に光る観葉植物が飾れるようになったというのは、非常に大きな進展だと言えますね。
映画やゲームの中でしか見ることのできなかった幻想的な光景を、現実に作り出すことができるのです。
参考文献
USDA approves stunning bioluminescent “firefly petunias” for sale
Firefly Petunia: the flower you will love the most
APHIS Issues Regulatory Status Review Response: Light Bio Petunia
元論文
Plants with genetically encoded autoluminescence
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
海沼 賢: 以前はKAIN名義で記事投稿をしていましたが、現在はナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。