キューウェル監督「最後までチャレンジしてくれた」
イングランドの名門リーズ・ユナイテッドやリバプールでかつてプレーし、今年から横浜FMを率いているハリー・キューウェル監督は、第2戦終了後の記者会見で安堵の言葉を口に。深夜に及ぶ死闘を制した選手たちを称えるとともに、自軍の課題にも言及している。
「やはりこの大会(ACL)では、次のラウンドに進むというのは簡単ではありません。そのなかでバンコク・ユナイテッドは、本当に最後の最後まで戦ってきました。簡単にやらせてはくれませんでしたが、我々は今日の試合もたくさんのチャンスを作りました。ただ最後のところでちょっと正確さが欠けてしまった。でもみんなプッシュし続けました(攻め続けました)。最後の最後まで、(選手たちが)しっかりチャレンジしてくれたと思います」
「自分が新しい監督として来るにあたり、求められるタスクというのは分かっていました。前任のケヴィン・マスカット監督が良い形で自分に受け渡してくれたなと思っています」
「まだまだ成長しなければいけない部分というのはあるのですが、初日から選手たちは本当に良い準備をしてくれましたし、やはり練習のなかでできないことは、試合では出せないと思っています。練習のなかでどれだけやっていけるのか。そこが1番大事にしているところです」
「クラブとして特別な瞬間(ACL制覇)を見るためには、簡単な道はないですし、それでも最後に笑うのは自分たちだ。そういう気持ちで楽しむことを忘れず、次のラウンド、そして週末のJリーグ開幕。そこに向けて良い準備をしていきたいです」
横浜FMに足りなかったものとは
敵地での第1戦では、左サイドを駆け上がった加藤のクロスにMF渡辺皓太が合わせ得点(前半24分)。この場面で繰り出された、パスの出し手よりも斜め後ろ方向に繰り出されるクロス、いわゆるマイナスのクロスは効果的だったが、特に第2戦の前半はこれが不足。ゆえにバンコクの守備を崩しきれなかった。
マイナスのクロスが効果的な理由は、ゴールから離れていく軌道のため、ペナルティエリア内の守備者がクロスボールとマークすべき相手選手を同一視野に入れにくいこと。第1戦を見た限り、バンコクの選手たちがマイナスのクロスへの対応を苦手としているふしがあったため、横浜FMがこれをもっと織り交ぜていれば、より試合を優位に運べただろう。キューウェル監督が言及した「最後のところの正確さ(フィニッシュワーク)」は、マイナスのクロスをより織り交ぜることで解決するかもしれない。