Q.仲介業者との正しい付き合い方はありますか

第36回すばる文学賞を受賞した新庄耕著『狭小邸宅』は、不動産仲介業者が舞台で、住宅を売ることができない営業担当者が主人公の話です。

話の前半分は、家を売ることができない営業担当者が上司から責められ、追い込まれていく描写となっています。彼は、とある上司からの教えによって売れる営業担当者に変身するのですが、この小説は私たちが中古マンションを探す際に、目の前の営業担当者の思考がどうなのかを類推することができる良い教科書です。

不動産仲介業は手数料商売です。あなたが物件を購入するか売却するかまでは、いくら時間をかけても1円も入ってきません。毎日が接客と売上ノルマ達成に追われる立場なのです。そのため、表面上は親切でもまったく見込みのない客、購入時期が確定していない希望者とみなされると、時間の無駄と敬遠されてしまいます。それでも歓迎してくれる人がいるなら、それは現状売上が達成できず困っている、力のない業者や担当者でしょう。

以上のことを踏まえて質問に答えますと、中古マンションの購入プロセスは大きく2つに分類され、購入イメージが具体的かどうかで行動すべきパターンが異なります。

(1)めぼしいマンション、購入条件が決まっている場合

すでに購入検討地域に住んでいて、希望物件や条件が固まっている人なら、SUUMOやYahoo!不動産など不動産ポータルサイトなどから具体的な物件を見つけて業者に電話したほうがいいでしょう。

不動産ポータルサイトに出している業者は、売主から媒介契約をもらったうえで掲載しています。囲い込みトラブルとは無縁です。

(2)まだ具体的なマンションや地域自体も決めかねている場合

この場合は、まずは住んでみたい街に行ってみて、地場の不動産仲介業者を訪ねましょう。対応が画一的な部分が強い大手仲介よりも、地場の中小業者のほうが親身になって物件案内や条件作成に応じてくれるはずです。

どちらの場合も、条件面どころか「購入時期が決まっていない」顧客は単なるお荷物です。

もし、あなたが嘘をつくことに後ろめたさを感じていないのなら、具体的なスケジュール、たとえば「来月末までには契約したい」とか「周辺の新築マンションを見てきたのだが、今購入できる中古マンションも比較検討して、良い物件があれば契約したい」と話すのもありだと思います。

文・のらえもん/提供元・ZUU online library

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