日産がNV400の実質的な後継モデルとなる大型商用バンの新型インタースターを欧州で公開。車種展開は日産の大型商用バンとして初設定の100%電動パワートレインのインタースター-eと、ディーゼル仕様のインタースターをラインアップ

日産自動車の子会社である欧州日産自動車は2024年2月7日(現地時間)、既存のNV400の実質的な後継モデルとなる大型商用バンの新型インタースター(INTERSTAR)を発表した。

日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲欧州日産が既存のNV400の実質的な後継モデルとなる大型商用バンの新型インタースターを発表。発売は2024年内を予定、『CAR and DRIVER』より引用)

現行モデルのNV400の前に名乗っていた車名に再び回帰した新型インタースターは、従来と同様にルノー・マスター(MASTER)と基本コンポーネントを共用するOEM車に位置。新型は2024年春に発売予定の4代目マスターのシャシーおよびパワートレインをベースに、専用デザインの内外装パーツを随所に配して、日産ならではの大型ユーティリティビークルに仕立てたことが特徴である。車種展開としては、日産の大型商用バンとして初設定となる100%電動パワートレインを搭載したインタースター-eと、ディーゼル仕様のインタースターを設定した。

日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲車種展開としては日産の大型商用バンとして初設定となる100%電動パワートレインを搭載したインタースター-e(写真)とディーゼル仕様のインタースターをラインアップする、『CAR and DRIVER』より引用)

まずエクステリアは、効率性、積載量、そして乗り心地を重視した大型バンらしいデザインを基調に、日産の高級ミニバンのエルグランドを彷彿とさせる横桟を配したフロントグリルやC字形状のLEDデイライト、従来より40mm広いサイドドア、新アレンジの縦型LEDリアコンビネーションランプなどを装備して、個性と存在感を強調。また、ティッパー、ドロップサイド、ボックスバンなど幅広いコンバージョンモデルをラインアップし、大容量の貨物の積載から長距離の走行、車室空間の拡大、重量物の運搬まで、あらゆるニーズに対応する。空力性能も重視し、空気抵抗となるドラッグ(SCx)を従来より20%低減して、燃費や航続距離の改善を図った。さらに、全車に5年または走行距離16万kmまでの一般保証、そしてインタースター-eのバッテリーは8年または16万kmまでの特別保証を付帯して、ユーザーの安心感を高めている。

日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲大型バンらしいデザインを基調に、日産の高級ミニバンのエルグランドを彷彿とさせる横桟を配したフロントグリルやC字形状のLEDデイライト、従来より40mm広いサイドドア、新アレンジの縦型LEDリアコンビネーションランプなどを装備して、新型インタースターならではの個性と存在感を強調する、『CAR and DRIVER』より引用)
日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲足もとには新デザインのホイールカバーと205/75R16サイズのC(Commercial Vehicle)タイヤを装着、『CAR and DRIVER』より引用)
日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲EV仕様には“INTERSTAR-e”“100%ev”のエンブレムを配備、『CAR and DRIVER』より引用)

インテリアについては、ドライバーと同乗者を第一に考えてデザイン。耐久性の高いシート表皮やヒーター機構の内蔵、ヒーター付きのフロントガラスなどにより、様々な環境下 での長時間の運転においても、乗員が快適に過ごせるようアレンジする。ダッシュボード上部や下部、中央席シートバック裏などに豊富な収納スペースを設けたこともトピックだ。また、狭い市街地でもよりスムースに走行できるよう、従来モデルと比べて1.5mほど短い最小旋回半径を実現。さらに、Android/Apple CarPlayに対応した10インチのタッチスクリーンを備えるマルチメディアシステムや最新のナビゲーションシステム、ワイヤレススマートフォン充電器、USB-Cポートといった先進機構も採用している。

日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲ドライバーと同乗者を第一に考えてデザインしたインテリア。中央にNISSANエンブレムを配した3本スポークステアリングには多様な機能が操作できるスイッチ類を配備する、『CAR and DRIVER』より引用)
日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲Android/Apple CarPlayに対応した10インチのタッチスクリーンを備えるマルチメディアシステムを採用、『CAR and DRIVER』より引用)
日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲ワイヤレススマートフォン充電器とUSB-Cポートを装備して利便性をアップ、『CAR and DRIVER』より引用)
日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲インパネ上部にはフタつきの収納スペースを配備、『CAR and DRIVER』より引用)
日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲3名が乗車できる独立タイプのシートを装着。耐久性の高いシート表皮やヒーター機構も採用する、『CAR and DRIVER』より引用)
日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲中央席のシートバックを倒すると有効な収納スペースが現れる、『CAR and DRIVER』より引用)

一方で荷室空間に関しては、従来モデルより100mm長い積載スペースと前述の広いサイドドアを確保し、より多くの商品やサービスを詰め込むことが可能。積載能力はEVモデルで最大1.6トン、ディーゼル仕様で約2トンを誇る。また、全モデルで最大2500kgの牽引能力を実現した。

日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲従来モデルより100mm長い積載スペースと40mm広いサイドドアを確保し、より多くの商品やサービスを詰め込むことが可能。積載能力はEVモデルで最大1.6トン、ディーゼル仕様で約2トンを確保、『CAR and DRIVER』より引用)

肝心のパワートレインは、EV仕様のインタースター-eが最高出力96kW/300Nmまたは105kW/300Nmを発生する電気モーターと、総電力量40kWhまたは87kWhを確保したリチウムイオンバッテリーを搭載。航続距離は欧州WLTPモードで40kWhバッテリー仕様が180km以上、87kWhバッテリー仕様が460kmを実現する。充電に関しては、わずか30分で航続距離252km分もの充電ができる急速充電機能を装備。また、普通充電では4時間ほどで電池残量10%から100%までの充電を可能としている。

一方でディーゼルエンジン仕様には、Euro7に準拠した最新の2.0 Blue dCiを搭載。トランスミッションには6速MTまたは9速ATを組み合わせ、クラストップレベルの低燃費を実現した。

日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲EV仕様のインタースター-eは最高出力96kW/300Nmまたは105kW/300Nmを発生する電気モーターと、総電力量40kWhまたは87kWhを確保したリチウムイオンバッテリーを搭載、『CAR and DRIVER』より引用)
日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲わずか30分で航続距離252km分もの充電ができる急速充電機能を装備、『CAR and DRIVER』より引用)

先進安全装備の拡充ぶりも見逃せない。全モデルに前方緊急ブレーキや居眠り防止警告、タイヤ空気圧モニタリングシステムなど、幅広い安全機能を標準装備。また、牽引時におけるトレーラーの揺れ防止アシストも新たに装備し、牽引時の安全性を向上させる。さらに、革新的なワンボックス・ブレーキ・システムを搭載し、車両の重さに関係なく、常に最適な制動力を発揮。合わせて、緊急ブレーキの反応速度を従来モデル比で半分に短縮することで、ドライバーにさらなる安心感を与えるとともに安全性をいっそう引き上げた。

日産が新世代大型バンの新型インタースターを欧州で発表
(画像=▲全モデルに前方緊急ブレーキや居眠り防止警告、タイヤ空気圧モニタリングシステムなど、幅広い安全機能を標準で装備する、『CAR and DRIVER』より引用)

新型インタースターの発表に際して、欧州日産で小型商用車(LCV)のディレクターを務めるニコラス・シャン氏は「新型インタースターは、社会にとって重要な事業者の皆さんの最高の味方になるでしょう。EV仕様の追加、積載量の増加、多様なコンバージョンオプションを提供することにより、私たちの生活を支えてくれている世界中の中小企業がその事業運営に必要とするものを、私たちがまさに届けるのです」とコメントしている。

提供元・CAR and DRIVER

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