新加入選手の躍動も報われず
川崎Fにとって最悪と言える試合展開のなかで、MF山本悠樹、FWエリソン、DF三浦の新加入トリオが気を吐いた。
迎えた前半30分、山東の選手の縦パスを三浦が自陣でカットし、センターサークル付近に立っていたエリソンにボールを渡す。その後エリソンからボールを預かった山本が相手最終ラインの背後へパスを送ると、後方から攻め上がった三浦がこれに反応。山東の2センターバック間を走り抜けた三浦のシュートがゴールマウスに吸い込まれ、川崎Fが2戦合計スコア(4-4)で追いついた。
後半14分には、山東の最終ライン、中盤、最前線の3列が間延びした隙を突くことに成功。山東の最終ラインと中盤の間に立っていたMF脇坂が右サイドへパスを送り、このボールをMF家長昭博が受ける。家長のクロスボールに合わせたFWマルシーニョのシュートはゴールポストに阻まれるも、こぼれ球をエリソンが押し込んだ。
2戦合計スコアを5-4とし、川崎Fは準々決勝進出に近づいたが、後半28分に守備が崩壊。基本布陣[4-1-2-3]の中盤の底、MF橘田の隣のスペースを相手MFカザイシュビリに突かれると、その後左サイドに立っていたFWクリサンにボールが渡る。左サイドから中央へ切り込んだクリサンにミドルシュートを放たれ、川崎Fは失点した。
2戦合計スコア5-5で迎えた後半アディショナルタイム、山東がコーナーキックのチャンスを得ると、川崎F陣営がこれをクリアしきれず。ゴール前にこぼれたボールを山東のDFジャジソンが押し込み、アウェイチームが後半終了間際に勝ち越した。
第1戦から続いた壮絶な点の取り合いは、このゴールを以て幕引き。ACL2023/24のグループステージを無敗(5勝1分け)で突破し、クラブ史上初のアジア制覇への気運が高まっていた川崎Fだが、ホーム等々力での悲劇的な敗戦によってこの夢が潰えた。