■移送先の刑務所で執筆した“獄中日記”
ADXフローレンス刑務所はかつて元看守が「死よりもひどい」、「人類のために作られたものではない」と酷評していた施設である。
ジャック・パワーズ氏がここで味わった身体的および精神的苦しみが癒えるにはまだかなりの時間がかかりそうだが、アリゾナ州の連邦刑務所に移送されてからは独学で執筆への情熱を育んでいったのだった。そして2021年5月に自著『ADX Supermax: The Alcatraz of the Rockies』(ADXスーパーマックス:ロッキー山脈のアルカトラズ)を出版した。

33年間の刑期を終えて昨年仮釈放されたパワーズ氏だが、その“出所”の瞬間はドキュメンタリー映画製作者のピート・クワント氏が撮影し、「ニューヨーク・タイムズ」で報じられた。クワント氏はその時の様子を次のように話している。
「彼が自由になってから最初の数時間、彼を取り囲む感情と刺激の洪水にもかかわらず、私たちのカメラのレンズに自分自身をさらけ出す姿に立ち会えたことは光栄でした。長期の刑務所滞在を経て社会に復帰することは、夢中になれる夢であると同時に、乗り越えられない挑戦のように思えるかもしれません」(クワント氏)
服役中に息子の死を知らされたパワーズ氏は「刑務所では本当に悲しむことはできません。刑務所の時間はただ止まっているだけで、動きません」と語る。
「ここでは時間が過ぎていくようです。長い長い時間がかかりましたが、逃した時間と失った時間を質の高いもので取り戻すつもりですし、私はやるべきことは何でも、あなたが私に望んでいることは何でもするつもりです」(パワーズ氏)
出所後、パワーズ氏は年老いた母親と再会し、涙ながらに「元気そうでなによりです。夢が叶いました。これが続くかどうか分かりませんが」と口にした。
パワーズ氏の話に感動した人々からの寄付でクラウドファンディング「GoFundMe」ページにはすでに約40万円以上が集まっているという。

彼はまた自身のYouTubeチャンネル「TimeTracker」を運営しており、そこでは社会の問題や現代のトピックについて議論している。
銀行強盗犯であり受刑者であり“スーパーマックス”のサバイバーであるパワーズ氏は今後どのように“失われた時間”を取り戻していくのだろうか。
参考:「Daily Star」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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