インド中央部マディヤ・プラデーシュ州のラーリ村に住む農夫、シャム・ラル・ヤダブさん(74)の頭部には、約10センチの“悪魔の角”が生えていた。この角は、2014年に頭をけがした後に“発芽”した。シャムさんは長年、床屋を利用して角の成長を押さえてきた。しかし、5年以上の歳月を経た後、角はその成長スピードを急激に速め、医療機関での手術が必要となった。

 そして2019年、シャムさんの頭部から角を取り除くための手術が、同州の都市サーガルにあるバギョーデイ・ティス・チキータサレイ病院で行なわれた。手術を担当した外科医のビシャール・ガジブヒエ氏は次のように述べる。

「5年ほど前、患者は頭を傷つけ、その後しこりが大きくなり始めました。最初は不快感が無かったため、彼はそれを無視していました。また、地元の理髪師の手でしこりの成長を抑えられていました。しかし、しこりが硬くなっていって急速に成長し始めたとき、彼はサーガルの病院を訪れました。角はケラチン(爪や髪の毛の成分となるタンパク質)で構成されているので、一般的には滅菌使い捨てカミソリで取り除けます。しかし、根本的な病因についてはまだ治療が必要です」

 シャムさんは手術を受けてから10日間入院し、生体組織検査を経て問題ないことも確認された。ビシャール氏によると、角の治療法には手術の他、放射線療法や化学療法もあるという。今回は、外科手術によって角を切除し、傷口に皮膚を移植する方針が採用された。シャムさんの非常に珍しい症状は医学雑誌「International Journal of Surgery」に報告された。

 シャムさんのような症状は一般的に「皮角」と呼ばれる。60~70歳の高齢者に見られることが多く、癌化する可能性もある。ケラチンの蓄積によって発症するが、発症原因は現在も謎に包まれている。放射線や紫外線への暴露と皮角との関連を指摘する研究報告がある一方、ウイルス性のいぼや扁平上皮癌などから発生することもあるという。

“悪魔の角”から解放されたシャムさんが残りの人生を謳歌できることを願いたい。

(文=標葉実則)

※無修正の画像は「The Daily Mail」にてご覧いただけます。

参考:「The Daily Mail」、ほか

※当記事は2019年9月の記事を再掲しています。

提供元・TOCANA

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