製薬企業から多額の報酬
カネの問題は、これだけではない。医療ガバナンス研究所は、医師と製薬企業の関係の調査を進めている。収集したデータは、「製薬マネーデータベース YEN for DOCS」として公開している。K教授が、公務の傍ら、製薬企業の講演などの形で個人的に受け取った金は、2016年548万円、17年478万円、18年522万円、19年808万円だ。主任教授としての仕事そっちのけで、製薬企業のアルバイトに励んでいるといっても過言ではない。これでは、医療事故も多発するはずだ。果たして、このような人物が、福島医大の理事長に相応しいだろうか。
医療事故調査報告書から「製薬マネーデータベース YEN for DOCS」まで、以上のデータは、すべて公開されている。教職員は、このことを知らないのだろうか。それとも、それを知って、K教授を推したのだろうか。
マスコミも問題だ。彼らは、果たしてちゃんと取材したのだろうか。選考委員にインタビューすれば、背景を解説してくれたはずだ。双方から言い分を聞けば、今回の人事は、教職員の暴走を選考委員会が押しとどめたと、誰もが考えるだろう。こんなことを繰り返せば、早晩、大学も新聞も社会の信頼を失う。そうなれば、誰も権力を批判しなくなる。日本の衰退は加速する。大学人、メディア人の奮起に期待したい。
(文=上昌広/特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長)
提供元・Business Journal
【関連記事】
・初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
・地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
・有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
・現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
・積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?